尚絅学院大学

心理学専攻 お知らせ

ヨーロッパ心理学会に参加してきました

2017/08/22

 去る7月11日から14日まで,オランダのアムステルダムで開催された第15回ヨーロッパ心理学会(ECP)に参加してきました!今回は,大学院生たちも一緒に参加しています。本記事では,初めて国際学会に参加した大学院生たちの感想をご紹介します。

ECP2017に参加して(修士課程2年 佐藤真奈美

 オランダに滞在し学会に参加している間、常に感じていたものは「もどかしさ」である。海外の人々は自由で気さくな人が多く,先方から声をかけてきたり、こちらから挨拶すると会話をつなげていこうする人が多かった。しかし、こちらから相手に返せる言葉が十分でないので、大半は曖昧で大雑把な会話に終わってしまう。それが心残りで、フラストレーションのようなもどかしさを感じていたのである。自分にもっと英語力があれば、学会あるいは、オランダ滞在を通して、もっと違った視点からの学びが得られたのではないかと感じた。
 しかし、そんな心もとない英語力でも海外の発表者と会話し、様々な話が出来たのは良い経験になった。お互いの国や家族、学んでいることについて話し合い、自分の言いたいことが相手に伝わり、相手の言いたいことが伝わった経験は、不思議と心地よい経験であった。また、海外の研究者を通じて,日本人の研究者に紹介してもらうという興味深い体験もした。学会を終えて思うことは、自分は随分と狭い世界で学んでいたのだなということである。ECPに参加し、様々な国の人が心理学の研究を発表しているのを聞いて、世界中に心理を学ぶ人がいるのだと実感した。世界の至るところで、自分と同じように心理を学んでいる人がいて、さらに先へ進んで研究しているのだと思うと、自分も積極的に臨床へ携わっていきたいと背を押されるような気持ちになる1週間であった。今後は,心理学の研究も勿論だが、せめて海外の研究者と最低限の議論が出来る程度の英会話力を身に付けたいと思う。


ECP感想(修士課程1年 阿部尚彦)

 今回、ECP参加では、多くのことを学び、そして多くのものを得ることができました。まず、自分の英語力の乏しさを痛感させられました。正直,私の英語力では、ECPの発表の1割も理解することができませんでした。世界の進んだ心理学を学ぶためには、もっともっと努力することが必要だと強く感じさせられました。次に、ECPで得たものは、活力です。ECPでは、多くの日本人が発表を行っており、大学教員だけでなく、社会人、そして大学院生の方々も発表を行っていました。私もあと1年で、この先輩方のように海外で発表できるのだろかと情けなるとともに,この先輩たちのように自分も海外で発表してみたいと強く思うようにもなりました。残りの大学院生活で再度海外の学会に参加し、発表できるぐらい、これからの勉強をがんばっていこうという気持ちにさせられたのは大きな収穫でした。
 加えて、ECPの合間を縫って、アムステルダム内を観光することができましたが,そこでは、教会に関する宗教的背景、絵画などの美術、食事や建造物などの文化的背景など、心理学以外の学問の知識も深めることができました。そして,これらの心理学以外の学問の学びが、自身の教養の幅を広げるだけでなく、海外の心理が発展してきた背景の理解にも役立ったように思います。私にとって,オランダに滞在した時間全てが学びの時間となりました。


ECPに参加した感想(修士課程1年 武蔵優佳

 ECPに参加して、たくさんの学びがありました。
 
初めて会場に着くと、様々な国の人がおり、英語での会話が繰り広げられていて、全員すごい研究者のように見えて、自分とは世界が違うように感じてしまって圧倒されてしまいました。知り合いもいないし、英語も分からないし、自分は何でここにいるのだろうと劣等感や絶望感のようなものも感じました。2日目は,初めは一緒に行ったメンバーで同じ発表を聴き、その後、それぞれが個人で興味のある発表を聴きにいきました。英語の発表がよく分からなかったり、発表に対する質問の意図が掴めなかったりしましたが、表題や要旨の内容をとっかかりにしたり、スマートフォンで訳を検索したりしながら発表を聴きました。また雰囲気には少し慣れてくると、学会会場で提供される飲み物や食べ物を楽しんだり、様々なブースの資料を見たりブースの係りの人と少し会話する余裕も出てきました。
 会場には、出版社のブースや今後開催される学会のブースなど,さまざまなブースがありましたが,それらを見て、係りの人と会話したり、ブースの内容について知るのも良い勉強になりました。また、日本人の学生や先生方に話しかけたり、発表を聞かせていただいたりしましたが,学会で人との繋がりを作ることも大切なことだと感じました。同じ大学院生でも、自分一人だけで来たり,発表している方や、英語がペラペラな方などがいて、すごく刺激を受けました。1年生のうちに自分の実力の無さや無力感を痛感できたことは良かったと思います。ECP全体を通して研究意欲や学習意欲が高まり,とても貴重な実り多い経験となりました。この経験をこれからの大学院生活に生かしていきたいと思います。