教育目的
建学の精神に基づき、本大学院の教育目的は、学則の第2条で以下のように定められています。
「本大学院は、キリスト教の精神に基づき人格の陶冶をめざし、教育基本法及び学校教育法の規定するところに従い、高度にして専門的な学術の理論及び応用を教授研究し、精新な学識と研究能力を養うことによって、広く文化の向上と人類の福祉に貢献できる人材を育成することを目的とする。」
研究科および各専攻の人材養成の目的は、以下の表のように定めています。
研究科 |
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心理学専攻 | 心の悩みや非行・いじめなど行動上の問題への専門的な観点からのケアなど、心理学を専門的に研究し、柔軟で鋭い洞察力・分析力を備えている心理専門職者への期待が高まっている。本専攻では、その期待に応えるべく、専門的な学問の背景や隣接分野の知識・技能を併せ持つバランスの取れた人材、単なる推測や主観的判断を廃し、データに基づいた科学的な考察ができる人材を養成する。 |
人間学専攻 | 人間存在をその文化性・社会性・歴史性において宗教学・神学・倫理学などの分野から専門的に研究し、国際人としてのグローバルな視点を持ち、異文化を理解し尊重できる能力即ち共生感覚に優れ指導的な役割を担いうる人材を育成する。 |
公共社会学専攻 | 人口減少に悩む地域社会の課題から、気候変動などの地球規模の問題に至るまで、接続可能な開発目標(SDGs)をめぐるさまざまな公共的諸課題に現代社会は直面している。社会学を中心に、環境学、経済学・経営学、教育学、文化人類学などと連携し、市民社会・地域社会の人々との対話を重視して、社会に開かれた新しい学問、「公共社会学」を専門的に研究する人材を養成する。 |
健康栄養科学専攻 | 自由な発想で思考し広い視野に立って、栄養・食生活の諸問題解決に当たることのできる専門職業人の育成が早急に求められており、本専攻では、その要請に応えるべく、社会人を積極的に受け入れ、本専攻で得た知識・経験を各自の持ち場で活かすことができる、高度な専門知識と技術を持つ人材を養成する。 |
教育方針
教育目的を達成するために、本大学院では、アドミッションポリシー(入学者受け入れの方針)、カリキュラムポリシー(教育課程編成の方針)、ディプロマポリシー(学位授与の方針)を以下のように定めています。
アドミッションポリシー
本大学院の求める学生像は、以下のとおりです。
- キリスト教の愛と奉仕の精神に基づき、他者への深い思いやりと理解、さらに協力、支援に努める人。
- 専門分野に対する強い好奇心と探求心を抱き、高い目的意識を持って研究課題に取り組む人。
- 人間の健康な生活の営みに関わる諸問題を科学的に研究し、その成果を実践に生かそうとする人。
各専攻の求める学生像は、以下のとおりです。
心理学専攻
- 人間を「こころ」と「からだ」の統合の視点から捉え、専門的・実践的な知識と技術を習得する姿勢を強く持っている人。
- 先端的な知識の習得と研究を通して、人間の諸活動や社会生活に関わる、多様な問題や課題を解決しようとする人。
- 心理学の分野での研究者となることを目指し、それに必要な基盤的知識や研究法を学ぼうとする人。
人間学専攻
- 人間についてより高度で総合的な研究を深めたい人。
- 人間の様々な問題に対応することができる分野横断的な力量を身に付けたい人。
- 共生社会構築に向けた指導的役割を果たせる高度な知的素養を身に付けたい人。
- キリスト教精神について深い造詣を身に付けたい人。
- 教員としての資質能力をさらに高めたい人、教育関係職にあり学び直したい人。
公共社会学専攻
- 公共的諸課題に対する感受性と問題意識を有する人。
- 公共的諸課題解決のために、積極的に社会科学的知識や社会調査法を習得しようとする意欲のある人。
- 多様な人々と積極的にコミュニケーションし、対話を行う意欲のある人。
- 学問の知見、研究の成果を活かして、地域づくりの担い手となる意欲のある人。
健康栄養科学専攻
- 先端的な知識の習得と研究を通して、地域における健康問題を解決しようとする人。
- 健康栄養分野の学問に対する強い好奇心と探究心を抱き、高度な知識と能力をもった社会人を目指す人。
- 健康栄養科学の分野での研究者となることを目指し、それに必要な基盤的知識や研究法を学ぼうとする人。
カリキュラムポリシー
心理学専攻
教育課程を「総合科目」と、基礎心理学系、応用・実践心理学系の2つの分野からなる「専門科目」から構成する。
- 「総合科目」には本専攻の教育目標を達成するのに必要不可欠な知識及び技能の修得を目指した必修科目を配置し、最終的に修士論文の作成を行う。
- 「専門科目」は、心理に関する基礎を学ぶ基礎心理学分野と、それを実践応用する方法を習得または模索する応用・実践心理学分野の2つに分ける。これらの分野のいずれの科目も全て選択科目とすることによって、それぞれの学生が自らの関心に沿って学習できるようにする。
人間学専攻
- 学位授与に相応する幅広く深い学識及び研究能力を修得できる科目群を体系的に構成する。
- 学修課題をコースワークとして体系的に履修する必修科目・選択科目、特論科目・演習科目を適切に編成する。
- 研究成果・学術情報の適切な収集、研究活動の適切な蓄積、研究報告書・研究発表の学術性、研究倫理等を修得する特別研究を設置する。
公共社会学専攻
- 必修科目の公共社会学特論および公共社会学演習Ⅰ・Ⅱでは、分野横断的な5つの基本的視角(社会的格差、ジェンダー、産業・労働、環境、市民社会・地域社会)と基盤的な知識を修得する。
- 選択科目の特論科目では、各ディシプリンの専門性・体系性を重視し、研究関心を深堀するために、環境、地域、教育・文化、経済・経営を焦点とする科目群を配置する。
- 選択科目の演習科目は方法論的視角と各論的トピックスを学び、課題解決志向的な研究方法を修得し、報告・討論を通して、相互批判する力を涵養する科目群を環境、地域、教育・文化、経済・経営を焦点に配置する。
- 社会調査関連科目では、調査計画の立案、仮説の立て方にはじまり、質的・量的データの収集・分析の技法を修得する。
- 特別研究は、主教員と複数の副教員からなる複数指導制のもとで、フィールドワークにもとづいて市民社会・地域社会との公共社会学的な対話を実践し、エビデンスに裏付けられた課題解決策を提示する修士論文作成の指導を行う科目として配置する。
健康栄養科学専攻
教育課程を「総合科目」と、栄養科学、健康栄養デザインの2つの領域からなる「専門科目」から構成する。
- 「総合科目」には本専攻の教育目標を達成するのに必要不可欠な知識及び技能の修得を目指した必修科目を配置し、最終的に修士論文の作成を行う。
- 「専門科目」は、栄養に関する基礎を学ぶ栄養科学領域と、それを実践応用する方法を習得または模索する健康栄養デザイン領域の2つに分ける。これらの領域のいずれの科目も全て選択科目とすることによって、それぞれの学生が自らの関心に沿って学習できるようにする。
ディプロマポリシー
自らの所属する専攻の到達目標を達成し、また修士論文の審査に合格し、大学院学則に定められた所定の単位を修得した学生には、修士の学位を授与します。
各専攻の到達目標は、以下のとおりです。
心理学専攻
心理専門職者の業務に必要な高度の知識と技能を習得し、人間の心をめぐる諸問題の解決にあたることのできる能力を身につける。
人間学専攻
- キリスト教精神の深い造詣、高度な幅広い教養、分野横断的な知見、高い倫理性を有している。
- 人間の共生に関わる幅広い課題探究、共生の原理を創出しうる力量を有している。
- 共生社会の構築に向かう総合的リテラシー(情報の解釈・分析・考察・判断・表現の力量)を有している。
公共社会学専攻
- 公共的諸課題を発見し、総合的かつ分析的に問題を把握する能力。
- 社会学、環境学、経済学、経営学、教育学、文化人類学などの分野横断的な社会科学的知識の修得とそれらを活用する能力。
- 社会調査法を修得し、質的及び量的な資料を収集し、エビデンスに基づいて分析する能力。
- 多様な他者とコミュニケーションし、協働できる能力。
- 社会科学的な学問的知見とエビデンスに裏付けられた具体的な課題解決策を提示しうる能力。
健康栄養科学専攻
栄養と健康に関わる専門職業人の業務に必要な高度の知識と技術を習得し、栄養と健康の諸問題の解決にあたることのできる能力を身につける。