【人文社会学類】復興の現場から学ぶ、対話と知ることの重要性
2024/11/07
藤本ゼミ(人文社会学類3年次科目「総合実践・演習」)の学生たちは、2024年10月に福島県浪江町と双葉町を訪れました。復興の現場を直接見学し、関係者の方からお話を伺うことができました。ゼミ活動を通じて得た学生の気づきを、みなさんにお伝えします。
双葉駅周辺の様子
双葉駅周辺には、仮設住宅や役場、診療所などの施設が整備されていました。目的地である東日本大震災・原子力災害伝承館がある沿岸方面へと向かうと、黄色い花が一面に広がっているのが印象的でした。
伝承館での語り部講話では、「電車から見える自宅には帰れない、故郷はあるけれど、安心安全な以前のような生活は取り戻せない。ここに来るまでにあなたたちが見た黄色い花は、実は荒地の象徴なんだよ」というお話を聞きました。自分たちが想像していた復興の姿が、まだまだ先の未来であることを感じるとともに、「復旧すること」が被災地の人たちの望みであることを知りました。
私たちが訪れた福島県相双地域の被災地で、生の声を聴くことを通じて、震災を自分ごととして考える機会を得ました。そして、今後の防災や減災に向けた行動に繋げるきっかけとなりました。
対話と共感で進む、浪江町の復興
浪江町の復興を支えてきた一般社団法人まちづくりなみえの菅野孝明さんにお話を伺いました。
菅野さんは、復興とまちづくりにおいて大切なことは、単なる合意形成ではなく、住民との丁寧な対話を通じて納得を得ることだとおっしゃっていました。あきらめず、地道に相互理解を深めていくことで、真の“協働”にたどり着くことができるそうです。
また、これからの私たちにできる復興には、「積極的に知ろうとすること」があります。これは、災害の記憶や教訓を風化させないための第一歩であり、被災地の現状や復興の課題を学び、心に留め続けることで、過去の経験を次の世代に繋ぎ、災害に強い社会を築く力となると感じました。
仕事に対する姿勢 〜見聞きしてジブンゴトとして考え
菅野さんは、復興に際して「自分に何ができるか、何がやれそうか」という可能性を重視していました。復興を進める中で、菅野さんがモチベーションを保つ秘訣は、ポジティブであること、折れないこと、不安を抱えたまま一歩踏み出すことの3つです。
「困難なことに立ち向かうとワクワクする」とおっしゃっていた菅野さんの言葉を、自分ごととして捉え、その姿勢を見習いたいと考えています。