「人文社会学類特別講義」 秋保の“これから”について大学生と共に考える!
2024/06/21
今回の特別講義の趣旨は、座学だけでなく実践的な学びの入り口に一歩踏み込むことで、実社会の現状をより深く理解することにあります。そのため、仙台の奥座敷と称される秋保温泉を擁する秋保町における地域活性化の取り組みについて、実務家の方々から直接、考え方やノウハウを伝授していただきました。
人・食・風景・文化の新結合~テロワージュ
まずは、仙台秋保醸造所・秋保ワイナリー代表取締役であり、「テロワージュ」の生みの親でもある毛利親房さんに、創業と”テロワージュ”が生まれた経緯についてご説明いただきました。震災復興と地域活性化というパーパスを掲げて設計事務所からワインづくりへと転身した異色の起業家です。ワイン産業のつなぐ力を活かし、東北の風土と食・酒とのマリアージュで人々に最高のエクスペリエンス(体験)を提供することで、東北・宮城の魅力を国内外の観光客や事業者に発信する強い思いが伝わってきました。
instagram: @akiuwinery
社会課題の解決と経済的価値の実現~ローカルゼブラ
アキウ・ツーリズム・ファクトリー(ATF)代表取締役の千葉大貴さんに、デジタルツールと伝統的な紙媒体を活用した地域づくりの取り組みについて説明していただきました。千葉さんは、データ分析に基づいて秋保地区の現状と課題を整理し、少子高齢化地域における「関係地」づくりの重要性を提唱しています。その一環として、築160年の古民家を改装し、観光交流拠点施設「アキウ舎」を開業しました。シマウマが大きな群れで行動するように、多くの事業者を巻き込み、地域の社会的インパクト(社会的・環境的課題の解決)と経済的価値の実現に貢献してきました。
Instagram:@akiu_sha
地域おこし協力隊 in AKIU
アキウ・ツーリズム・ファクトリー社に在籍する地域おこし協力隊の若いお二人に、若者ならではの地域づくりの取組みを紹介していただきました。小松愛さんは前職の知見を活かし、「食と健康」に力を入れています。太齋優美さんは地元の食材でスイーツづくりに励んでいます。ATFの取組みや自身の活動などをSNSで発信することで、「AKIU」という地域ブランドを広げるために日々精力的に活動しています。
Instagram: @akiu_film
アキウ・ヒト・ツーリズム with こだまランド
株式会社こだま/株式会社こだまランド代表取締役児玉康さんに、本学との連携プロジェクト「アキウ・ヒト・ツーリズム」についてご紹介いただきました。モノづくりに対する熱意を持ち、人づくりの教育にも熱心な経営者です。また、地域の社会的課題にも積極的に取り組むパーパス経営の実践者でもあります。本学の学生向けに、年間通じて種まきや収穫祭などの農作業体験や、地元で収穫された農産物を活用した商品開発など、実践的な学びの場を提供しています。
instagram: @kodama_land
受講生の声
特別講義で講師の皆様のお話を聞いて、全員が自分の好きなことを通して活動し、生活されている姿がとても印象に残り、憧れを感じました。私は秋保が好きで、アキウ舎や秋保ワイナリー、そして温泉などにも訪れたことがありますが、どこも素晴らしい場所だと知っています。その魅力を知らない方々にも体験してもらいたいという願いが強くあります。今回の特別講義を通じて、秋保の魅力を伝える活動をしている方々がいることを初めて知り、興味を持ちました。特に地元を活性化するために異業種との連携をしながら成長している姿が面白いと感じます。経営学を学びながら地域産業についての話を聞いて、利益がどのように生まれているのか気になるところが多かったです。地元を活性化するという言葉はよく聞きますが、実際に何か活動をしている人は見たことがありませんでした。私も将来、仙台を活性化させる仕事やボランティアに参加したいと思うようになりました。
地域おこし協力隊の話が印象に残りました。彼らは野菜を使ったスイーツを開発し、秋保ならではのお土産を作ったり、さまざまなイベントを開催しながら、地元の企業と協力して地域を盛り上げている姿が特に印象的でした。私も地元の地域おこしに貢献したいと思っていたので、今日のお話を参考にしたいと思います。
今日の講義を聞いて、自分の住んでいた地域を良くしたいという思いが強く湧きました。秋保の良さや伝統文化を全国に発信することで、都市圏や外国からも秋保に訪れる人が増えることを期待しました。ただ利益を追求するだけでなく、地域活性化や地域の人との交流を通じて地域に根ざした企業になり、地方都市の魅力を広めることができると感じました。また、一つの業種にとどまらず、様々な業界の企業が集まり協力することで、町全体の活性化を促進することが重要だと思いました。
今日の講義で特に印象に残ったのは、株式会社アキウツーリズムファクトリーの代表取締役である千葉大貴さんの話でした。私がこの大学に来た理由の一つは、地域と関わる仕事をしたいという思いです。千葉さんが秋保サイクルツーリズムの話の中で、儲からないが地域の方々から応援される事業を行ったという話に衝撃を受けました。普通は利益を優先して事業をすると思いますが、地域の方々からの応援を目的として赤字ながらも事業を行う姿勢に感動しました。その結果、今では地域の方々からの支持を受け、様々な事業を展開しているということは、地域の支持が重要であると再確認しました。また、千葉さんが経営においてスピードと変化対応能力の重要性を話されていたことも印象的でした。私自身、生活の中で悩んだり行動に移すのに時間がかかることがありますが、経営ではなくとも、この2つの要素を意識して生活していきたいと思いました。他の方々の話も多くの学びがあり、とても有意義な機会でした。
今回、実際に経営をされている方々のお話を聞き、それぞれが始めた理由や目的について貴重なお話を聞くことができました。特に印象に残ったのは「秋保ワインナリー」についてのお話です。秋保ワインナリーが東日本大震災をきっかけに誕生し、宮城の復興に向けた取り組みを行っていることに深く感動しました。秋保ワインナリーについて特に印象的だったのは、ワイナリーの創業者が地元のブドウ農家と協力し、最高品質のワインを作るために努力している姿勢です。ワイン作りの過程には多くの地元住民が関わっており、その一体感が地域の絆を強めていると感じました。秋保ワインナリーは単なるワイナリーにとどまらず、地域の復興と発展に大きく貢献する存在となっています。経営者たちの情熱と地域への思いが込められたワインは多くの人々に感動を与え、私自身も秋保ワインナリーの取り組みから多くのことを学びました。地域社会に貢献する意義を再認識し、これからも秋保ワインナリーのような地域密着型の取り組みが増えていくことを期待しています。