尚絅学院大学

人文社会学類 お知らせ

【人文社会学類】教員コラム 「台湾に/で学ぶ」(稲澤努先生)

2023/08/04

 人文社会学類3年生の多文化社会演習(新カリキュラムでは東アジア文化演習)では、韓国または、中国・台湾を選択し、事前学習をした上で夏季に現地実習を行います。2020年度以降昨年までは海外渡航が大変困難だったため、zoomを用いてオンラインでの交流などを行っていました。
 今年は海外渡航ができる状況になったため、久しぶりに海外での実習が実施されます。かつて中国を選択した学生は、実習では大連を訪れていましたが、中国への渡航は未だ難しいので、今年は台湾の台中市にある弘光科技大学での実習をすることになりました。

 弘光科技大学とは、弘光科技大学で実施される短期留学プログラムへの本学学生の参加や留学生受け入れなど、本学とは深いつながいがあります。

(短期留学プログラム)
https://www.shokei.jp/institution/international/short/taiwan.html

 とはいえ、本学の独自授業での実習は初めてなので、引率教員である稲澤が下見に行ってきました。国際センターの職員の方々や、秋から本学に留学予定の学生に親切に学内を案内していただきました。

弘光科技大学国際長の田其虎先生と

弘光科技大学国際長の田其虎先生と

 夏季休暇中で宿泊予定の部屋などは見られませんでしたが、宿舎は新しく、1階には飲み物だけでなく軽食が買える自販機もあります。您遊卡(=交通系I Cカード)でも現金でも購入可能台湾はI T先進国でもあり、学内でWi-Fiが届かないようなことはありません。教室は冷房がとても効いていて快適なのですが、「寒すぎる」と感じる人もいるかなぁというのが正直なところです。

 台湾では、バスや地下鉄などでは、国語(いわゆる中国語)の他、台湾語(閩南語)、客家語、英語(そしてたまに日本語)のアナウンスが流れます。これまでの様々な歴史的経緯があっての状態なのですが、「多文化」を尊重しようという姿勢は、日本語ができないと不便で仕方ない日本とは「ちょっと違う」と実習にきた学生たちにも感じてもらえると思います。さらに、近年はインドネシアなどから台湾に来て働いているムスリムの方を街中で見かけることが増えました。台中市内のバスでもたくさん見かけましたし、日曜日の台中駅前には多くのインドネシア人が(香港のセントラルに集うフィリピン人のように)集まって語らっていました。「多文化社会」を体験するには台湾はとても良い場所だと思います。

 この夏の実習では、弘光科技大学の学生との交流やインタビュー、パイナップルケーキ作りなどの文化体験のほか、各自の課題を探求するために市内も見て回る予定です。また、帰路に立ち寄る台北では、日本統治時代に日本の学校で教育を受けた方々(現在90歳以上ですが、みなさんお元気です)との交流も予定しています。学生たちは、台湾に/で何を学ぶのか。今から楽しみです。
 

学生が宿泊予定の宿舎1階の自動販売機

学生が宿泊予定の宿舎1階の自動販売機