【人文社会学類】教員コラム 「「当たり前」が「当たり前でない」と感じる時」(高木竜輔先生)
2023/08/01
学会会場のメルボルン国際会議場
2023年6月に、国際学会で報告するためにオーストラリアのメルボルンに行ってきました。そこで見たこと、感じたことをお伝えいたします。
この時期のオーストラリアは冬です。寒いですが、まちなかを歩く上ではちょうどいい天候でした(ただし滞在した期間はほとんど雨模様でしたが)。今回、国際社会学会というところで、原発事故被災地の復興をめぐる課題にについて報告してきました。海外の方に原発事故のこと興味深く聞いていただいたのは、よい経験をさせていただきました。
学会会場に行く途中では、メルボルンのまちなかを見る機会に恵まれました。メルボルンには古くからの建物が多く残っており、近代的な建物と織りなす風景は独特なものがありました。また、路面電車がまちなかを走っており、市街地を乗る限りにおいて無料であるため、非常に住みやすいまちのように感じました。また、オーストラリアはほぼキャッシュレス社会。滞在中はほぼカード決済でした。そういった所も便利に感じました。
オーストラリア最初の鉄道駅、フリンダースストリート駅
もちろん、オーストラリアで生活する上では英語が話せないといけません。英語が得意でない私にとって、飲食店で注文したりするときなど、やはり緊張してしまいます。なんとか苦労しながら、コミュニケーションをとっていました。自分の母語が通じない地域に行くこともまた、いい経験でした。
もう一つ印象的だったのは、物価が高いことです。飲食店でランチをとろうとすると、だいたい日本円で2000円くらいかかります。そのほか、日本の有名な衣料品店の品物の値段は、日本の2.5倍くらいでした。とはいえ、現時点で多くの海外旅行客が日本にやってくることなどからすると、日本の物価の方が安いと言えるかもしれません。
今回、久しぶりに海外に行きましたが、海外に行ってはじめて分かること、経験できることがあることを改めて感じました。海外に行くと、日本で生きているなかで当たり前だと思っていたことが、実は当たり前ではないことに気づきます。そのことに気づくことは、かけがえのない経験のように思いました。もちろんお金がかかりますが、大学生の間に一度くらいは海外に行って、「「当たり前」が「当たり前でない」ことを感じてもらいたいと思います。