尚絅学院大学

人文社会学類 お知らせ

【人文社会学類】教員コラム 「景観まちづくりの必要性」(馬場たまき先生)

2023/07/19

もし「好きな景観を1つ紹介してください」と問われたら、皆さんはどのような場所を思い浮かべますか?たとえば、歴史的な建物の美しい街並み、桜の並木道を抜けるトンネル、夕暮れ時の川沿いなど、選択肢は実にさまざまですよね。では、多くの人を魅了する景観を作り出すためには、どのような取り組みが必要なのでしょうか?私のゼミの活動を参考にしながら、考えてみましょう。

新施設「仙台緑彩館」周辺の景観調査

新施設「仙台緑彩館」周辺の景観調査

■景観づくりの基準とは?

「景観」という言葉は、風景や景色と同じ意味で用いられることもありますが、単なる眺めにとどまらず、人々の思いを形にして共有するという意味も含まれています。私のゼミでは、景観を「つくる」「まもる」「育む」活動に注目し、取り組みの工夫や課題を探りながら、多くの人に好まれる景観にはどのような要素が必要なのかを調査し考察しています。まず初めに、身近な地域の景観を観察するために外に出かけ、さまざまな観点で写真を撮影します。その後、撮影した画像について発表し、撮影理由や感想を共有します。興味深いことに、同じ建物を複数の学生が撮影した場合でも、「背景の自然との調和が美しい」「レトロなデザインが魅力的」「ベンチがあって便利」というように、好きな理由は人それぞれです。こうした意見交換を通じて、人々が好む景観には一定の基準や要素があることに気づくことができます。

「エラオ・パトリックホーム」周辺の景観調査

「エラオ・パトリックホーム」周辺の景観調査

「景観分析にチャレンジしたい!」と思っている方には、客観的な視点でまちを眺めることをおすすめします。たとえば、観光客、高齢者、子どもの視点で身近な地域を観察してみると、まちの魅力や課題など、新たな発見に出会えるかもしれません。
共生環境領域では、私のゼミ以外にも、景観について考えるさまざまな授業を用意しています。景観の重要性について、一緒に考えてみませんか。

景観分析の発表会

景観分析の発表会