會澤先生のアメリカ留学のススメ1(會澤まりえ先生)
2022/11/25
會澤まりえ先生がアメリカへの留学について解説します。初回は、會澤先生が実際にアメリカの高校に留学した時の様子について、お伝えしたいと思います。
アメリカへの留学
フットボールの試合(同校卒業アルバムより)
学生時代に「留学」という言葉を耳にし、実際に留学するか否かを一度は考えたことがあるという人は案外多いかもしれません。ここでは、(1)アメリカの高校、(2)大学、(3)大学院について留学あるいは現地訪問をした経験に基づいて、アメリカの学生生活について述べていきたいと思います。
いずれもシカゴという大都会がある中西部のイリノイ州での体験ですが、ほぼ全米に共通する点もあるはずです。これを読んで、大学や大学院への留学に興味ある方は是非参考としていただければと思います。
アメリカの高校
ホームカミング・ダンス(同校卒業アルバムより)
高校3年生の時に交換留学生として、アメリカのイリノイ州シカゴ郊外にあるヒンズディルサウスハイスクール(Hinsdale South High School)に留学する機会がありました。アメリカの教育システムは州によって若干異なりますが、筆者が留学した高校は4年制で、1年生はフレッシュマン(freshman)、2年生はソフォモア(sophomore)、3年生はジュニア(junior)、4年生はシニア(senior)という学年構成になっていました。高校は大学の授業システムのように自分が登録した科目によって履修メンバーや教室が変わり、日本のようなホームルームや担任制はありません。もし学生生活で困ったことや悩みなどを相談したい時は、苗字のアルファベット順に割り当てられている心理カウンセラーに面談を申し込まなければならず、早くから自分のことは自分でするという自己責任や自立心を持つことが求められていると思われました。
アメリカンハイスクールを題材にしたドラマや映画はたくさんありますが、フットボール、チアリーダー、ホームカミング(卒業生を迎え入れ、フットボールの試合やホームカミングクィーンやキングを選ぶコンテスト等を開催する行事)、バレンタインダンス、卒業パーティー(プロム)など、まさに青春まっしぐらというのが高校生だと思われます。高校において、人気者といえばフットボール選手やチアリーダーが挙げられます。
チアリーダー・運転免許・卒業パーティ
フットボール試合の合間に登場するのが、チアリーダー達です。お揃いのユニフォームで元気な掛け声やアクロバット的な動きで観客に自分の学校をアピールしながらフットボールチームを応援します。彼女達がチアリーダーグループに入るためには、成績の平均がAであることが第1条件で、その条件をクリアーした上で次に受けるのが実技などを試す選考試験です。その試験を突破した後に晴れてチアリーダーグループに入れることから、筆者の高校では文武両道の集団と思われており、チアリーダーであることは一種のステータスシンボルでもありました。
高校のカリキュラムの中でユニークなものとして「ドライバーズ・エデュケーション」という運転免許を取得する科目があります。イリノイ州では16歳になると運転免許証を取ることができるので、その時期になるとデートを始める人も比較的に増えます。ある家庭では、16歳になるまでデートを禁じているところもあれば、そのような決まりもない家庭もあります。アメリカの高校生にとって、デートは当たり前のことで、車で迎えに来たボーイフレンドを両親に紹介してからデートに出かけるというのが普通のパターンでした。
高校時代の最後の思い出を飾るものに、卒業パーティーがありますが、その時のダンスに、男子学生はスーツやタキシードを、女子学生はワンピースやロングドレスを着て着飾りパーティー会場に出かけて行きます。
その時期にボーイフレンドやガールフレンドがいない場合は、友人の兄弟姉妹に相手役をお願いする人もいます。アメリカの高校生たちは、ホームカミング、バレンタイン、プロムなどのダンスの機会を通して大人社会の一員になるための自立心の向上と社交的センスを磨いているように思えました。