尚絅学院大学

人間学専攻 お知らせ

【人間学専攻】ポーランド留学生報告

2020/04/20

 昨年の10月からポーランドのヤゲロン大学に留学しています。松田晴花と申します。

 今回は、日本では報じられていないポーランドにおけるコロナウイルス対策等の状況について綴りたいと思います。

 ポーランド政府の対応は、迅速かつ厳しいので情報収集が欠かせない日々です。

3月10日の時点で全学校(幼稚園〜大学)の全ての授業、行事等がキャンセルになり、その3日後には緊急事態宣言が発表されました。少なくとも4月14日まで続くとされています。

 12日木曜日には、すでに国境封鎖の噂が広がっていたため、ポーランドから東欧諸国に帰国する人々で国境付近が人で溢れました。多くの東欧出身の友人たちは帰国をあきらめ、ポーランドに留まることを決めましたが、東欧出身ではない数名の友人は、ポーランドにはしばらく帰って来られないことを覚悟して帰国しました。

 それと同時に、ポーランド中の大学寮が一時的に病院(感染の疑いがある人の隔離施設)となるため、寮生は全ての荷物を持って他寮に移らなければならないという状況になっていました。幸いにも私の大学寮は政府との交渉により、その状況になることは避けられました。

 非常事態宣言による国境封鎖、お店の営業停止(スーパー、薬局を除く)に加え、ついに25日にはより厳しい外出制限も発表されました。不要不急の外出または3人以上の集会等を行った場合は、多額の罰金を支払わなければなりません。今は、警察と軍隊が街を見回っているため、うかつに外に出ることはできません。

1人ずつしか入れないお店

1人ずつしか入れないお店

 私はポーランド人の友人から疎開することを勧められたので、今は田舎の友人宅にて過ごしています。

 幸いにも、フランスやイタリアなどのようにアジア人に対してアグレッシブになるような人には出会っていませんが、私のアジア人の友人やその周りでは差別されるようなことがあったので、外を出歩く時は気を付けるようにしています。

 フェイクニュースも出てきたので、それにも気をつけながら毎日色んなニュースを見ています。ニュースも友人達と情報共有しているので、いろんな言語から情報を見極わることが出来ています。

 手洗いうがいの習慣のないポーランドに、今や至るところに手洗いの手順が記されたポスターが貼られ、普段は観光地・町の中心部として賑わっている所も車さえ通らないというほど、人がいません。

 食品、生活用品の買い占めは落ち着き、品不足は解消されましたが、食料品は値上げされる状況に変わりました。

スーパーの入り口にある注意書き

スーパーの入り口にある注意書き

ただでさえも日々、ポーランド語の授業等でてんてこ舞いに忙しいところに、コロナが加わってさらに大変ですが、油断せずにルールを守ることであの愛おしい日常が一日でも早く戻ることを願っています。

 

2020年3月25日

人間学専攻1年 松田晴花

ポーランド中に貼られているポスター

ポーランド中に貼られているポスター