尚絅学院大学

健康栄養学類 お知らせ

新型コロナに負けない新学期に! 普段の食生活を大切しよう

2020/03/23

文部科学省が四月からの学校再開の指針を出しました。
でも新学期早々に新型コロナ感染!は怖い・・・かかっても軽症ですませたいですね。
低栄養が肺炎の深刻なリスクってご存じですか?
ウイルスと戦うのは、一にも二にも自分の体力。
健康な学校生活を送れるよう備えましょう。

1. 低栄養と肺炎の関係

「やせ」も死亡リスクが高い

「やせ」も死亡リスクが高い

血液検査で低アルブミン値や貧血を指摘されてる人は要注意。ダイエットや不規則な食事、気分の落ち込みから来る食欲不振は、低栄養による肺炎の深刻なリスクです。また、日本人を対象にした、死亡率と体格指標(BMI)の関係の疫学調査をまとめた研究では、「やせ」も死亡リスクが高いことを報告し、「やせは、感染症、呼吸器疾患、炎症性疾患などの病気への耐性が低い」と指摘しています。
「やせ」が肺炎のリスクになる原因の一つが、病原体と戦うためのエネルギーの蓄積が少ないから。
風邪で発熱すると多くのエネルギーが必要ですが、免疫反応が活発なとき食欲は落ちます。しかも、体を守る白血球のエネルギー源は糖質(グルコース)なのに、私たちの体が貯められる糖質はごく僅か。足りなくなれば、筋肉を分解して、タンパク質から糖質をつくります

元気な時に、しっかり食べて、適度に体を動かし、体力をつけておきましょう。

2. 「やせ」ってどれくらい?

健康を維持できる体重は?

健康を維持できる体重は?

日本人の食事摂取基準2020では、18-49歳の総死亡率が低い体格指標(BMI)の範囲は、18.5 – 24.9 kg/m2です。つまり170 cm人の場合は、53 – 72 kgが総死亡率の低い体重の範囲になります。表にBMIと身長・体重の関係をまとめました。とても幅広いですね。正しい指導のできるお医者さんや管理栄養士さんは体重のほかに、体重変化や様々な検査結果と比べて、健康状態を一人ひとり判断します。
やせと病気の関係は、どちらが先かの判断が難しいですが、「やせ」のうち
筋肉量が少ない栄養不足の方は、感染症予防の観点からは要注意です。
自己判断で細い体型を無理して維持するのは健康上好ましくありません

3. 適度な量の目安「食事バランスガイド」

理想の献立といっても、必要なエネルギー量も生活様式も人それぞれ。
ならば、この機会に厚生労働省と農林水産省が出している食事バランスガイドを活用してみるのはいかがでしょうか?
たとえば、主食をコンビニおにぎりで表現すると、一日5個分最低でも必要など、他に主菜・副菜も必要など、取り方の目安の参考になりますよ!

4. 風邪予防に役立つ栄養素は?

副食のある定食も参考になる

副食のある定食も参考になる

感染予防や回復期にはバランスのよい食事と適度な運動とよく言われます。
体力をつけるには良質なタンパク質と糖質が欠かせません。ビタミンやミネラルなども重症化を防ぐのに大切な栄養素です。
風邪にまけない体力を作る栄養素を含む食品を挙げてみたので、関連データの「体を守る栄養素」も是非参考にしてください。

5.【一人暮らし必須】外出できなくなったときのため

買い置きやお見舞いにオススメ

買い置きやお見舞いにオススメ

発熱して食欲のないときは、市販のゼリー飲料や、スポーツドリンクも役に立ちます。可能なら、おかゆやバナナ、うどんなど消化のよいものを、無理のない範囲で食べた方が回復は早いです。
体調が悪いときの買い物はつらいですね。ゼリー飲料やスポーツドリンク、日持ちするレトルトのおかゆ、冷凍うどん、バランス栄養食品、おもちなど、いざという時に簡単に食べられるものを備えておきましょう。
熱があるときに何が食べられるか?でシミュレーションしてみて下さい。

 
[万が一のパンデミックに慌てないために]
東日本大震災の時、一人暮らしの方が、コンビニから食糧が消え、行きつけの食堂も閉まり困ったと話してました。
なんだかんだいって、備蓄が楽なのは米です。ご飯を炊けるようにしておくと安心です。
缶詰、レトルト、乾めんなどもあると心強いですね。



それでは、よい新学期を!

文責 健康栄養学類 食品学担当 木村ふみ子

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