ティクバ便り Vol.1
2019/12/13
臨床心理相談室のスタッフが、リレー形式でエッセイをお届けします!
相談室の玄関から
みなさん、こんにちは。
臨床心理相談室長の川端です。
この度、大学のホームページをリニューアルするのにともない、臨床心理相談室のホームページも体裁を新しくすることになりました。
そして、これを機会に、名取市にあるカウンセリングの専門機関としての臨床心理相談室(「ティクバ」)を、できるだけ多くの方に知っていただくために、来談者の方のプライバシー等に触れない範囲でいろいろとご紹介してくようなページを作成してみてはどうか、という意見が出まして、ここに『ティクバ便り』として発刊することになりました。
内容としては、スタッフの専門にかかる話(発達障害、PTSD、認知行動療法、対話精神療法、精神分析等々)から、日頃のちょっとしたことや、気になっていることまで、臨床心理相談室のスタッフが交替で、肩ひじが張らない感じでお話ししていければ、と考えています。
サイクルについては、一応2週間に1回くらいを考えていますが、まあ、不定期になってもご容赦ください。
今回は第1号ですので、臨床心理相談室の別名である「ティクバ」の由来などについて説明したいと思います。
これは、ヘブライ語で、「希望」という意味です。
本学大学院に臨床コースを設置することになり、それに伴って、臨床心理相談室を建築することが決まったところで(これについても、いろいろな案があったのですが、結局、キャンパス内に新たに建築することになりました)、愛称というか呼び名も考えた方が良いということになりました。
それで、ヘブライ語に堪能なユダヤ学が専門のU教授に趣旨を説明し、「希望とか、光とか、そういう感じで、ヘブライ語で何かいいのはないですかね。」とお尋ねしたところ、「そうね。ティクバ、というのはどうかな。」とすらすらとその場でヘブライ語の単語を書かれたのでした。
実は、これが、ティクバという名称の由来です。
臨床心理相談室に来談される方は、何か困ったこと、うまくいっていないことを抱えておられるわけで、ご自身の人生で、苦しい場面に直面されていると思います。心理療法は、来談者の方が、そうした困難を乗り越えていかれることをサポートするものですが、そうしたプロセスでとても大切なのが、「希望」というものではないかと私は思っています。
ともすれば、現実のしんどさに心が折れそうになってしまうとき、来談者のかたを支えるものとして、未来は現在よりもよくなっていると信じる希望というものは、とても重要なのではないかと思うのです。そして、そうした希望は、周りのサポートしてくれる人、これまでのポジティブな経験、自分自身に対する信頼などによって支えられるものでもありましょう。
臨床心理相談室が、来談者の方の「希望」というともしびの、風よけのような存在であれば良いな、と思っています。