尚絅学院大学

国際交流エッセイ リレーエッセイ

【国際交流リレーエッセイ 第65回】韓国留学半年を振り返って

2024/10/09

国際交流リレーエッセイは第65回目は、2024年度に韓国の協定校・培材大学に留学している人文社会学類3年生の留学体験談です。

韓国留学半年を振り返って

2024年2月26日、大きな目標としていた韓国での留学生活が始まった。今回の韓国留学では語学能力を向上させること、将来やりたいことを見つけること、今まで授業で学んできたことを活かしながら現地で韓国の文化を学ぶことの3つを目的、目標としていた。

1年間の韓国留学を決断するまで、たくさんのことを考えた。私は実家から大学に通っていたため、親元を離れるのは今回の留学が初めてだった。初めての親元を離れてする生活が海外だということ、そして大学3年生という時期に1年間の留学をするということ。いろいろな面において不安があったが、自分自身の人生においての大きな目標であり、夢であった「留学をする」ということを叶えるため、また、自分が成長するための大きなチャンスだと考え一年間韓国へ留学をすることを決意した。出発するときは、期待感もありながらも不安な気持ちの方が大きかった。韓国行きの飛行機の中で家族から貰った手紙を読み、家族と離れてしまうという寂しさもあったが、頑張らないといけないと改めて思えるようになった。


だが、韓国に着いてからは予想もしていなかったことの連発だった。本当にここで一年間生活することができるのかと不安になることも多かったが、海外で生活をするということはこういうことなのかと実感する経験となった。日用品の買い出しのために大学の近くを歩いているだけでも文化の違いを感じることも多く、慣れるまで時間がかかったこともあったが全ての瞬間が新鮮で刺激的だった。

韓国語の授業のクラス分けテストを終え、私は3級のクラスとなった。韓国語だけで進んでいく授業には慣れていたつもりだったが、新しく習う文法を韓国語の説明で聞くということに慣れず、十分に理解できないまま授業が進んでしまうということが何度かあった。授業の進むスピードも速いため、ノートをとることばかりに集中してしまい躓いてしまうことも多かった。また、日本にいる時は授業に加え自主的に韓国語の勉強を進めていたものの、自分自身が十分満足できるほどの準備はできていなかったように感じる。そのため日常生活においても、授業中においても自分の語学能力に自信を持つことができず、他のクラスメイトと自分を比べて落ち込んでしまったり、焦る気持ちが大きくなってしまったりすることが多かった。そのような経験が後に勉強のモチベーションともなったが、韓国に来てすぐは不安なことも多かったためそのような感情をコントロールすることが大変だった。

焦る気持ちからどのように自分自身と向き合っていくべきなのか、どのように勉強を進めていくべきなのか悩むことも多かったが、今まで学んできたことを活かしながらお店の方や先生方と韓国語でコミュニケーションをとることで「通じる!」という嬉しさから自信を取り戻すことができた。

韓国語の授業のクラスには日本の他大学から来ている学生や、日本以外から来ている学生も多かった。そのため休み時間には韓国語を使ってそれぞれの国での生活について話をしたり、共通の趣味についての話をしたりして過ごすことができた。お互い母国語が違うにも関わらず、お互いが韓国に来て韓国語を通じて交流をすることができ、新しい言語を学ぶということの楽しさを感じた経験となった。


生活面ではホームシックのようになってしまった時期もあった。今まで感じたことのないような感情になり不安定になってしまうこともあったが、自分なりの解決策を見つけ乗り越えることができた。日本にいる時はゆっくり自分の感情と向き合える時間が少なかったため、韓国に来てからの半年間で自分を知る機会が多かったように感じる。また、違う国から来ている子と交流をしたり、韓国人の子と交流をしたり、同じ状況の中で生活をしている友達と長い時間一緒に過ごすことにより、自分自身にとって刺激となることも多かった。韓国ではいろいろな面において自分の考えや意見、意思表示を求められることが多く、すべて自分から発信しなければ何も始まらない。私は、心の中では思っていてもそれを口に出して言うことが苦手だった。しかし、韓国では言わなければいけない場面が多いため、自分から発信するよう心掛けながら生活をした。これが生活面で一番成長を感じたことだった。自分の考えを発信するために常にいろいろなことについて自分の考えを持つようになり、一つの物事をいろいろな視点から客観的に考えられるようになった。


年間を振り返ってみると大変なことも多かったが、自分自身の成長を実感することができ、とても充実した時間を過ごすことができた。まだまだ韓国での生活に難しさや大変さを感じることもあると思うが、そのような体験やその時の感情をプラスに変えて自分の成長につなげていけたらと思う。いま韓国で生活をできていることに感謝をし、もっとたくさんのことを吸収し、成長した姿で日本に帰れるよう1日1日を大切に後期も頑張っていきたいと思う。


文社会学類3年 石田 春花