尚絅学院大学

国際交流エッセイ リレーエッセイ

【国際交流リレーエッセイ 第60回】韓国留学を終えて

2024/09/10

国際交流リレーエッセイは60回目を迎えました。今回は、2024年度前期に韓国の協定校・培材大学に留学した人文社会学類4年生の留学体験談です。

韓国留学を終えて

私の留学の動機は韓国語能力の向上でした。
半年間の留学を通して、日本語を話すのと同じくらいの自己表現ができる韓国語能力を身につけたいとの思いから、語学堂の授業を受講していました。授業では、語彙と文法、筆記、読解、聴解、会話の5つを学びました。それに加えて、週に一度、韓国語能力試験の過去問の筆記の練習も行いました。私は筆記を苦手としていましたが、授業で繰り返し練習したことで苦手意識がなくなりました。試験は4月と6月で、筆記試験のほかに、先生とインタビュー形式で話す試験も行いました。  

大田ハンバッ樹木園

大田ハンバッ樹木園

留学中は、観光経営学科が運営している「ピカピカ」と日本学科が運営している「ナカマ」の2つのサークルに入っていました。
「ピカピカ」は、週に一度学校で集まってクイズ大会やレクリエーションを行なったり、班ごとに活動内容を決めて動画を作成し、サークル内でコンテストを行なったりしました。コンテストでは動画編集を担当させてもらい、賞金もいただきました。班のメンバーとは活動後などに会食をすることも多かったです。
「ナカマ」の活動は2週に1度で、学校で活動するというよりはボウリングやボードゲームカフェなどみんなで遊びに行くことが多かったです。日本学科の学生をはじめ、日本に興味がある学生ばかりだったので話題には困りませんでした。
昨年度に授業で韓国実習に行った際に仲良くなった友人との交流も続いていました。留学初期にその友人が新しく友人を紹介してくれたことで、不安無く留学をスタートすることができました。留学したての何もわからない時期に、休日や放課後に毎日時間を作ってくれていた友人には感謝しかありません。友人の存在が私にとってはとても大きく、心の支えになっていました。

ピカピカのみんなとチヂミ

ピカピカのみんなとチヂミ

空き時間には学校の裏にあるコンビニや美容室に通っていました。
授業の無い午後の時間や休日にコンビニに行き、店員の女性とお話をしていました。はじめは顔見知り程度でしたが、思い切って声をかけるととても気さくに話してくれ、気軽に会って話せる仲になりました。韓国での生活で困っていることは無いか、ご飯は食べているか、家族と連絡は取っているかなど、私の生活を気遣ってくれていました。
美容室のお姉さんとは月に一度ほどしか会う機会が無かったのですが、私の韓国での悩みなどを聞いてくれ、現在も連絡を取り合っています。日韓の文化の違い、双方の立場の違いなどにも理解を示してくれ、韓国の人とどのように付き合っていけば良いか助言ももらいました。そして、帰国前に二人でご飯に行ったことは大切な思い出の一つです。はじめは語学力に自信が無く、拙い言葉によって誤解が生まれるのではないかという怖さがありました。しかし、私が何を言おうとしているのかしっかりと確認しながら会話をしてくれたので安心してコミュニケーションを取ることができました。また、大学で出会う学生は年下が多かったので、ある程度信頼できる大人の存在が心強かったです。
授業や学校の活動以外で、地域の方と親しくなったことが語学力の向上に繋がったと考えます。

サムギョプサルと香水作り体験

サムギョプサルと香水作り体験

そして、留学中に韓国国内を一人旅したことも語学力・行動力の向上と自信につながったと思います。
方言がきっかけで興味を持った慶尚道地方の釜山と大邱に二泊三日で行きました。海外で一人旅行するというのは緊張もありましたが、自分のことを知っている人が誰もいない場所に行くという開放感もありました。観光地やタクシーで現地の生きた方言に触れたことが、韓国語学習のモチベーションをより高めることになったと思います。
こうした経験を積み重ねて、今では日本語を話すときと同じくらい、韓国語でも自己表現できるようになりました。

釜山甘川文化村・鼎冠バラ公園、大邱BTSのメンバーの母校巡り

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現在は、韓国語能力試験を受験し、3級以上を取得することを目指して勉強を続けています。
後期は国際交流センターの活動に積極的に関わりたいです。培材大学から留学生が来るので、留学で学んだ韓国語を活かしていきたいです。
また、卒業後の進路については、留学前は自分の語学の実力や行動力に自信がなく、語学を活用した職業に就くという考えはありませんでした。しかし留学での経験を通じて自分の成長を感じ、留学で学んだことを将来に活かしたいと思うようになり、少しでも語学力を活かせる職に就きたいと考えています。

留学中にあった出来事、感じた思い、嬉しかったこともそうでなかったことも、すべてが人生の糧となり、私という人間を大きく強くしてくれました。短い期間ではありましたが、この経験は私の人生の忘れられない思い出です。

人文社会学類4年 齋藤茉綸