尚絅学院大学

国際交流エッセイ リレーエッセイ

【国際交流リレーエッセイ 第59回】韓国留学生活の記録

2024/09/06

国際交流リレーエッセイ第59回目は、2024年度前期に韓国の協定校・培材大学に留学した人文社会学類3年生の留学体験談です。

韓国留学生活の記録

私は2024年2月下旬から7月上旬まで韓国での留学生活を送っていました。韓国留学は高校生の頃から目標にしていて、今回実現することができて良かったです。
当初は二週間程の短期留学を考えていたのですが、思い切って半年間留学することに決めました。大学入学から留学することを意識して単位をしっかり取ったり、話を聞いたりたくさん準備をして行きました。それでも初めての自立した生活だったため、不安はありつつも仲間がいたので心強かったです。
私は半年間の留学のため、韓国でしかできないことをたくさんしたいと思っていました。常に新しい発見をしたいと好奇心に溢れていました。そのためカルチャーショックが起きることもなく留学を終えることができました。


私は今回の留学について大きく三つに分けて振り返っていきたいと思います。
まず一つ目は、授業についてです。韓国語検定3級を取得していないと必ず語学堂のレベルテストを受けることになっていて受けたのですが、学部の授業についていけそうだったら学部の授業を受けて良いと先生に言われました。聞くのと話すのは少し自信があったので、せっかくだからと思って普通の韓国語の授業を受けるのではなく、学部の授業を受けることにしました。授業に参加してみると、自分より韓国語ができる正規留学の留学生がたくさんいて少し不安になりました。ですが教授が優しく話してくれたりしたためあまり緊張せずに授業に臨むことができました。

そこで私が受講した授業で印象に残っているものをいくつか紹介します。
「韓国語スピーキング・ライティング」ではそれぞれ異なる国のメンバーでチームを作り、協力して調べ学習を行いました。上手く伝わらなくて難しいこともあったのですが、積極的に自分の意見を出し、発表に役立たせることができて良かったです。
「韓国文学の理解」では立候補した人は自分が読みたい文学の一部を発表するということがあり、私は挑戦することにしました。発表を終え、教授から「発音が良い」「演技が上手い」と褒められて嬉しかったです。やって良かったと思いました。
「観光資源と日本語」は留学生向けの授業ではなく韓国人学生と一緒に授業を受けました。韓国人学生に日本語を教えたり韓国語を教えてもらったり、お互いの文化の違いや共通点について話し合いなどをしました。自分の韓国語で理解してもらおうという気持ちになって、できるだけ分かってもらえるように意見を言える良い機会になったので良かったです。


二つ目は、異文化理解についてです。
私は留学の目的として「異文化を受け入れ、お互いの文化を認め合い、自文化を伝える」ということを大事にしていました。そのため異文化に触れる機会を増やしたいと思い、現地の国際交流サークルに3つ入りました。「ピカピカ」「なかま」「ハンウルリム」がありました。その中で韓国にしかない文化をいろいろ知ることができました。韓国の学生はお酒を飲むことが多く、理解できない部分もありました。ですが正直に「お酒を飲むことが好きではない」というと他の飲み物を用意してくれるなど、理解してくれたので伝えることが大切だと感じました。飲まないからといって悪い雰囲気になることもないため、お互いを受け入れることができたのは良かったと思います。
それから日本語を勉強している韓国人の学生は日本のアニメを好きな人が多くて私はあまり詳しくないので話を広げることは難しく、逆に日本人の留学生はK-POPアイドルを好きな人が多くいるのに韓国人はあまりK-POPアイドルに詳しくない場合が多くあります。それでもそれぞれの好きなものを認め合い、理解することが大切だと思いました。自分の好きなものを言っていたからこそ、新たな繋がりを発見できたり、話を分かって質問してもらえたりしたので良かったです。
韓国留学をして異文化理解について分かったことは、まず相手の文化を否定から入るのではなく受け入れること、そして自文化を伝えることが必要だと分かりました。それからどうしても理解できない文化があったとしたらそれは無理に理解しなくても良いと思います。そういう考えもあるのだと受け流すことで楽になる場合もあります。文化ではなくその人自体に目を向けて知っていき、徐々に理解できる場合もあると思うので異文化コミュニケーションは放棄しないことが大事なのではないかと考えます。


三つ目は、韓国での生活についてです。私は留学先の学校がある大田という都市に住んでいました。そこは住みやすく、ソウルも他の都市より比較的近くて便利でした。私はK-POPアイドルが好きなので、授業がない日や休日に音楽番組を見に行くなど、イベントやライブにも行きました。それらをするために韓国でしかできないことをたくさん経験することができました。日本のイベントとは違う楽しみ方ができて面白かったです。それからソウルや大田以外のさまざまな都市にもたくさん旅行することができ、刺激的な毎日を送ることができたと感じています。


今回の留学を通して、文化や言語が違うこと自体を楽しみながら今まで自分が付けてきた力を実感する機会になったと思います。そして自分についての理解も深められた気がします。今までは計画的ではないことが裏目に出たりすることもあったのですが、計画的ではなくてもなんとかなるということが身をもって体験することができました。なんとか次の方法を見つけて行動するということがとても力になったと感じています。
それから自分自身コミュニケーション力がないと思っていたのですが、最初に話すことはしなくてもその後にコミュニケーションが上手くできるかが大事だと知り、自分が思っていたよりもコミュニケーション力があることを知りました。自分の新たな一面を知ることができるなど、人や文化を受け入れることの重要性を知ることができたのは良かったです。この経験を活かして残りの大学生活も新たな発見ができるよう日々を楽しみながら過ごしていきたいと思います。

人文社会学類3年 山口未尋