尚絅学院大学

国際交流エッセイ リレーエッセイ

【国際交流リレーエッセイ第53回】1年間の韓国留学を終えて

2024/03/12

国際交流リレーエッセイ第53回目は人文社会学類の柳晏珠さんです。柳さんは、2023年2月から2024年1月まで韓国の協定校、培材大学に約1年間留学しました。

                       1年間の韓国留学を終えて

今回私は、2023 年の2 ⽉から2024 年の1 ⽉までの韓国留学を終えて無事帰国しました。1年間は⻑いようであっという間でした。毎⽇⾃分の努⼒不⾜を⽬の当たりにしたり、新しい発⾒が出来たり勉強以外にも⽣活⾯で学ぶことも多く精神的にも忙しい1 年でした。

私が今回の留学をすると決めたきっかけは、⾃⾝の語学⼒の向上と、異国の地で学⽣⽣活を送ってみたい、また、グローバル化が進む世界で、異⽂化の理解を深め、⽇本という国を客観的に⾒てみたいと思ったからです。⽇本では世界経済や、異⽂化理解、外国語などの授業を履修しました。さらに、国外からの視点でも学びたいと思い、先⽣に勧めてもらった留学を決意しました。留学前から、韓国は隣の国でもあり、近年も韓流ブームなどが起こり私⾃⾝も幼少期から馴染みのある国だった為、あまり不安を抱えずむしろ楽しみという気持ちが⼤きかったのですが、実際は想像よりもカルチャーショックを感じることが多くありました。特に⾷事マナーやコミュニケーションの場などで感じることが多かったです。初めての⼀⼈での海外⽣活だった為、慣れない環境と様々な出会いや困難、学びも沢⼭あり、今までの⽣活では経験できないような事ばかりでした。

今回私は韓国の⾸都ソウルでは無く、韓国の中間に位置する⼤⽥で留学をしました。⼤⽥はソウルに⽐べて⽇本⼈がほとんどいないので、学校を出れば、学内でも街でも韓国語がたくさん聞こえます。お店でも⽇本語は全く通じないため、韓国語で会話をする機会がたくさんあります。私の拙い韓国語でも頑張って聞き取ろうとしてくれる店員さんや、⽇本⼈は珍しいとサービスしてくれる店員さん、韓国は楽しい?⾟いことは無い?などと、気遣ってくださる人が多く、韓国⼈の温かさを沢⼭感じました。その思いやりのおかげで、学校以外でも沢⼭の出会いがあり、交友関係を広げることができました。⼤⽥は街の作りが仙台に似ていて、私はソウルより住みやすいと感じました。交通⾯も学校の周りはバスが沢⼭通っているので、不便と感じることはあまりありませんでした。


前期は慣れない環境での暮らしに慣れることに精⼀杯でしたが、1度夏休みに⽇本に戻ったことによって、前期にはできなかった事がまだまだ沢⼭あることに気づけました。そして、後期は⾃分が留学で達成すべきこと、留学⽣活でしか経験できないことを⼤事に考えながら⽣活しました。留学⽣活をするにあたって⾃分の⽬標は、語学の習得と異⽂化への理解を深める事が⼤きな⽬標でした。

この⽬標を達成する為にも、何の為に留学をしているのか、⽬標は何かを常に意識し、韓国でしか出来ないことを最優先に⽣活していたと思います。その上で⾃分が⽬標の為にできることは何かと考えた結果、現地の⼈とコミュニケーションを取ることが、⼀番重要だと感じました。もちろん同じ留学先にきた⽇本⼈とも仲良くなることでお互い助け合える事は多く、異国の⽣活で少しストレスを感じた時、⽇本⼈の友⼈たちの存在にはとても助けられました。しかし、異⽂化理解や語学の向上の為には、現地の⽅との交流が何より重要です。平⽇は留学生たちと一緒に授業を受けましたが、お昼休みや夜、週末はなるべく現地の韓国⼈の友⼈らと交流する事を意識しました。交流しながらも、⾃分のスピーキングに⾃信が無く、⾃分の気持ちをうまく伝えられない事が多々あり、悔しい思いをしました。しかし、その度にもっと上⼿くなりたいという欲が⾼まりました。


書く・読むことも重要なコミュニケーションの⼿段ですが、まずスピーキングを頑張りたいと思い、現地の⼈とコミュニケーションを取る為に、積極的に⽇本学科のサークル活動などに参加しました。そのおかげで沢⼭の現地の友達ができ、サークル以外でも⼀緒に遊んだり、試験期間はお互いの⾔語を教え合ったりしながら勉強をする中で、実際に現地の⼈と会話をしてみると、話す速度や、教科書ではあまり使われない単語やニュアンスが多く、当初より気持ちの表現の幅が広がったと感じます。⾃分の留学先で仲良くなった韓国⼈の⼦が会話の途中で、「今の単語の意味分かった?今の話理解できた?」など、こちらを気遣いながら話してくれたので、私も正直に分からないことは、分からないと伝える事もできるようになりました。実際に分からない単語を検索して覚えるよりも、分からないと感じたその場で、⼈に聞き教えてもらった⽅が、今後同じシチュエーションが来ても使いやすく、覚えやすいと実感しました。

韓国も近年⽇本ブームにあり、⽇本のお菓⼦がコンビニで売られていたり、⽇本のキャラクターとコラボした製品が⼈気商品になっています。また、⽇本の曲が韓国のチャートに⼊ったりと、現在の⽇本の韓国ブームと同様に、韓国でも⽇本ブームが起きていると感じました。大田でも新しくオープンするお店が⽇本⾷だったり、日本食店が連続で並んでいたり、多くの⽇本⾷のお店がありました。


今回の経験から留学を通じて、⽇本と韓国それぞれの国でしか表現の出来ない⾔語や⽂化が沢⼭あり、その中でも⾔語は⾃分の意思を伝える為にも、とても重要な⼿段だと改めて学びました。他にも、恥ずかしがらず挑戦する事で、⾃分の想像以上の経験や成果を得られるということを実感しました。今までは失敗が怖く、必ず成功するといわれる範囲内で、物事を済ませる事が多かったのですが、これからは失敗を恐れず、挑戦したいと思ったことは諦めずに挑戦してみたいと感じました。

他にも、お互いが異なっているという事を踏まえた上で、考えや気持ちを伝えあう事で理解を深めることができ、コミュニケーションは最も重要な⼿段であると感じました。初めは慣れない異⽂化を体験すると、理解が出来ず距離を感じてしまう事もありました。しかし、異⽂化もその国の歴史やバックボーンを知るという⾏動から、視野も広がり、⾃分の中でも受け⼊れやすく、他の物事に関しても様々な視点から考えられるようになりました。正直に分からないと伝えることの⼤切さ、恥ずかしがらずに⾏動することが今後の⽣活にも⼤きく影響してくると思います。もし、今後も悩んだりすることがあっても、まずは⾏動に起こすことを⼤事にし、今回学んだ事は忘れずに今後にも活かしていきたいです。

人文社会学類3年 柳晏珠