尚絅学院大学

国際交流エッセイ リレーエッセイ

【国際交流リレーエッセイ第46回】 韓国留学初めの半年間

2023/09/29

国際交流リレーエッセイ第46回目は人文社会学類の斎藤綾花さんです。齋藤さんは韓国培材大学に1年間の交換留学中です。

韓国留学初めの半年間


2023年2月23日、私の留学生活がスタートした。海外に渡航するのは初めてだった私は、楽しみと不安な気持ちが入り混じっていた。韓国に到着してからは空港から大型のタクシーに乗って3時間弱ノンストップで仁川空港から大田にある培材大学に向かった。タクシーに乗り込んでから最初の方はビル群に圧倒されて、しばらく辺りをキョロキョロ見渡した。トラックの後ろの方に目のシールを付けて顔のようにしている可愛いトラックがたくさん走っていた。そして気が付いたらいつの間にか寝てしまっていた。起きた時には大田に着いていた。学校の周辺は飲食店やカフェなどが並んでおり、照明がとても明るく、キラキラしていてまたも圧倒された。何よりも今まで勉強してきた韓国語が街中に当たり前にあふれているのを目の当たりにし、韓国に来ていることを再実感した。


次の日にはレベルテストがあった。結果は一番上の級を取ることができ、無事学部の授業を受けることができることになった。レベルテストがとても不安だったため、結果を見て安心した。履修登録を済ませ、早速授業が始まった。授業はすべて韓国語で行われ、最初の方はついていけるか不安だったが、聞いているうちにだんだん慣れてきた。授業は文章を書く力を鍛えること、話す力を鍛えること、韓国文化を学ぶことを中心に履修し、どの科目も話を集中して聞いていた。テスト範囲や先生が話したことをメモにまとめ、そこを重点的に勉強し、中間テストと期末テストに望んだ。授業を欠席することなく毎回参加し、テストもきちんと受けたので最終的にはよい成績を収めることができた。何とかやり遂げることができたため、次の学期の自信につながった。テスト期間は韓国人の学生たちも遅くまで学校に残って勉強しており、いかに勉学を大事にしているかということが伝わってきた。
留学生活では、勉強はもちろん、それ以外にも様々なことを体験した。まず、韓国での生活について驚いたこと3つをランキング形式で紹介しようと思う。
第3位はキンパやジャージャー麵が安くて美味しいため、コストパフォーマンスが最高ということである。安いうえに量も多く美味しいので、こんな値段で食べてもいいのかという気持ちになった。これは、約半年過ごした今でもやめることができない。他にも安くて美味しいものは韓国にはあふれていることがわかった。
第2位は交通費の安さである。韓国はバスや地下鉄、タクシーの料金が非常に安い。バスも電車も、1回の乗車は200円以下で、バスとタクシーは乗り換えが数分間、数回分無料の制度がある。このシステムと料金設定に私は感動した。
第1位は坂が多いことである。大学の周りはとても坂が多い。寮に行くまでにもかなり長めの坂を上らなければならず、とても大変だ。歩いているだけでかなり良い運動になり、スタイルがいい人が多いのはこれが関係しているのかと思うほど坂が多かった。


1学期には日本学科との合宿や「ピカピカ」、「なかま」といったサークル活動に参加し、たくさんの韓国人や日本人と交流した。「なかま」は日本学科の学生が運営しているため、所属している学生は積極的に日本語を使って話しかけてくれることが多かった。また、彼女たちの日本語の流暢さに驚かされた。面白い人たちが多く、1学期には一緒にご飯を食べに行ったり、街の方に遊びに行ったりと、たくさん交流することができた。一方「ピカピカ」は、観光経営学科の学生が運営しているサークルのため、学生は日本語を話せる人はあまり所属しておらず、控えめな人が多かったと感じた。しかし、自分から韓国語で話しかけて会話をするようになるとすぐに打ち解けることができた。また、サークルの活動で行った動画コンテストでは、私のチームが1位になり、とても良い思い出になった。


留学生活では楽しいことの方が大半だが、もちろんカルチャーショックや言語の壁からストレスを受けてしまうこともある。日本では感じたことが無いことがたくさん降りかかってくるため、無意識のうちにストレスを感じていた。最初は韓国が好きなことをきっかけに、韓国語を勉強し始めた。そこから文化にも興味を持ち、実際に体験してみたい、韓国語の能力を伸ばしたいなどという思いに至り、留学を決意した。実際に来てみると、文化の違いから人間関係の問題に発展したり、話している内容を聞き取れなかったりして、自分の韓国語の実力不足を痛感する。生活に慣れてきた今でもそう感じることが多々ある。環境が全く違うため、そこにストレスを感じるときもしばしあった。この経験は自分のストレス対処法を知るきっかけとなり、自分なりのストレス対処法を知っておくことの重要性についても考えるようになった。自分について理解することで、これからまた頑張ろうと思えるモチベーションにもつながった。

1学期はとてもあっという間に過ぎた。恐らく2学期もあっという間に終わってしまうだろう。しかし、それを踏まえたうえで、2学期からはさらにレベルアップした授業を受けるつもりでいる。また、生活面でも、もっと充実させていきたいと考えている。そのためには、韓国語の勉強にもっと力を入れ、基礎能力を高めていきたいと思っている。韓国人の学生とたくさん交流を深め、思い出をたくさん作り、悔いが無いように韓国の留学生活を終えられるよう後期も頑張っていきたい。

人文社会学類4年 齋藤綾花