【国際交流リレーエッセイ 第38回】アメリカ留学体験談
2023/01/25
国際交流リレーエッセイ第38回目は人文社会学類3年の大貫俊悟さんです。大貫さんは9月から本学の協定校、アメリカワシントン州立オリンピックカレッジに交換留学中です。
私は2022年の9月から、尚絅学院大学の協定校であるオリンピックカレッジに、英語の技能向上を目的に留学している。オリンピックカレッジは、アメリカ合衆国のワシントン州ブレマートンにある公立の大学だ。
12月の上旬までは英語の授業を中心に受けてきた。この授業の生徒は約10人程度で日本人が8割だった。週5日間、朝9時から12時まで行われた。英語の基礎を教わる授業だが、全て英語で進行されるため、苦労したこともあった。先生の質問を聞き返すことが多かったが、先生は優しく対応してくれた。
放課後は異文化交流センターで現地の人たちと交流し、多くの友達ができた。英語での会話はこの時間が一番多かったので大切にし、ほとんど毎日このセンターで活動していた。
私の家は学校から徒歩10分の場所に位置しているので、多くの点で非常に便利である。寮に住むこともできたが、ホームステイに憧れていたのでそちらを選んだ。ホストファミリーはとても親切で大変お世話になっている。
休日に現地の友達と遊ぶときは家に遊びに行ってご飯を食べながら、映画を見ることが多い。私が行った友達の家は全て一戸建てで広い庭も付いていて非常に立派な家ばかりであった。
アメリカに来て初めての大きなイベントはハロウィーンで、印象に残っていることが多くある。ほとんどの家やお店の玄関がハロウィーンに合った装飾になっており、外を歩くだけで楽しめた。そして私もジャック・オー・ランタンと呼ばれるお馴染みのカボチャの顔のランタンを教会のイベントで作り、それをホストファミリーの家の玄関に飾らせてもらった。当日は友達と大きなお化け屋敷に行き、そのまま夜まで楽しんだ。
ハロウィーン
サンクスギビングデイは友達の家でパーティーに参加した。テレビゲームを使用したダンスパーティーはとても楽しく、ディナーは豪華で名物のターキー(七面鳥)も出てきて美味しく頂いた。
冬休みに入ってカナダに一人旅に行った。バンクーバーの有名な観光地、ガスタウンの蒸気時計台は思ったより目立たない場所にあった。夜に開いていたクリスマスマーケットはとても賑やかな場所で印象に残っている。その後、日本人の友達とカリフォルニア州のロサンゼルスに旅行した。サンタモニカビーチやユニバーサルスタジオハリウッドに行った。どれも大切な思い出となった。
クリスマスは朝からホストファミリーとプレゼント開封を行った。アメリカでは大人も子供もプレゼントを1人で何個も貰える文化があり、私もボードゲームや洋服を貰った。全てのプレゼントの開封が終わるころには床一面がプレゼントの包装紙でいっぱいになっていた。
クリスマスマーケット
次にアメリカに留学に来て気づいたことを紹介する。
まずは挨拶について。日本の「初めまして」の挨拶はお辞儀だがアメリカは握手が基本だということが身に染みて分かった。よく考えればお辞儀をしたアメリカ人をまだ見たことが無い。お世話になった場面でもハグや握手を求めるだけでお辞儀は行わない。そもそもそのような文化が無いのだと気づいた。
次にHow are you?について。今度は日本にはない文化だ。直訳すれば「調子はどう?」と質問をしている。このようなことを日本人は言わない、言ったら海外の役者にでもなったのかと思われそうだ。だがアメリカ人は友人でも先生でも必ずと言っていいほどその日初めて会ったら聞いてくる。そしてほとんどの人が「良い感じ」と返す。私も友達に会ったら言うようにしているのだが、慣れていくうちにこの挨拶のやり取りを交えることで次の会話に入りやすくなるということに気づいた。そして個人的にHow are you?という言葉の音が気持ち良く感じるようになっていった。「おはよう」や「こんにちは」を言い合うだけであれば次の会話に発展しづらいため、この挨拶を交わすのではないかと思う。総じてアメリカは挨拶が気持ちよい国だと思っている。
この流れで映画の和訳の凄さについて気づいたことを述べたい。先ほどのような日本語で表現しづらい言葉が映画で出たときの和訳は、その役の性格や状況から逐一変える必要がある。そのことに気づいてから改めて映画の日本語字幕を観ると、海外映画の和訳をしている人の技術は凄まじく高いということが分かった。
次に食事事情について。私のホストファミリーでは、冷蔵庫の中に入っている物は何を食べても大丈夫で、自分で勝手に料理しても良いことになっている。夕食は食卓に呼ばれて皆で食事をすることもあるが、無いことの方が多く、気づいたらホストファミリーは夕食を済ませている。この状況をベトナム人留学生の友達に聞いたところ、そちらのホストファミリーも同様であった。ベトナムもそういった環境であり、その友達にとっては普通だと言っていた。日本によくある家庭のように家族で食卓を囲んで食事をする文化を持つ国ばかりではないということに気づいた。
このように言い始めると生活や文化の違いはキリが無いくらいある。細かい事も多々述べた様に思われるかもしれないが私にとっては大きな気づきだ。アメリカに留学に来て様々な貴重な体験をすることができているため、本当に来てよかったと思う。残り3か月の留学生活で、どんな気づきを味わえるか楽しみでならない。多くの皆さんにも海外留学の楽しさや素晴らしさを知ってほしいと心から思っている。
人文社会学類3年 大貫 俊悟
ユニバーサルスタジオハリウッド