【国際交流リレーエッセイ 第7回】1年間の交換留学を振り返って
2018/10/12
第7回目の国際交流リレーエッセイは前回に引き続き、中国の浙江越秀外国語学院から交換留学生として本学で学んでいた楊揚さんです。
楊揚さんの留学の感想をご覧下さい。
1年間の交換留学を振り返って
私は楊揚(ヨウヨウ)と言います。中国人です。去年の9月に日本に来てからそろそろ一年近くになります。この1年間に私はずっと一人暮らしをしてきました。私にとってこれは親を離れ国を離れた人生始めての一人暮らしの生活でした。しかし時間が経つのは速いものです。名残惜しいですが、日本での留学生活も間も無く終わりになります。
私は交換留学生で浙江越秀外国語学院から来ました。文字通り向こうの大学は言語大学です。そして私は日本語科の学生です。だから日本に来る前に私はもう日本語を2年勉強しました。その2年間で基本の50音図からN1レベルの単語と文法まで全部マスターしたつもりですが、本気で日本人と接触し始めたらすぐ自分の出来がわかりました。 仙台空港で食事をした時、店のメニューを見たら料理の名前がほとんど学んだことのない外来語で驚きました。読んで見たらなんとなく英語っぽく感じましたけど、意味は全然知りませんでした。中国の教育では小学三年生から大学までずっと英語の授業は入っていますが、実は私は英語がとても下手で、10年以上勉強してきたとは言えまだまだ日常会話すらできません。日本語は好きですので一生懸命身につけようとしています。しかし国内で培ったリスニング力が低かったため注文の時も従業員さんの話がちゃんと聞き取れなくてちょっとまごまごしました。
国際交流フェアにて
中国の大学に日本人の先生はいますが、正直にいうと学生と先生のコミュニケーションが全然足りないです。空港まで迎えに来てくれた先生と簡単な会話をしてみたら、私は頭の中で思ったことをうまく日本語にできないということに気づきました。それはショックでした。自分の日本語の知識が非常に限られていたので言いたいことはすぐ口に出せなかったのです。時々に言葉を間違えて使ったりもして、先生との対話がなかなかスムーズになれなかったです。
最初に生活用品を買い揃えるためにあちこち歩き回った頃、事前に調べる習慣がなくていろいろと苦労したこともありました。一番印象的なのはWiFiルーターとケーブルが言えなかったことで、店員さんと話が順調に進まなくて時間をロスした件です。私は説明したかったのですが、緊張したせいか頭にいい言葉が思い出せなくてますますうろたえました。言葉を紡ぐことに時間がかかりすぎたら、私はいつも喉まで登った話を言わないまま飲み込んでしまいます。それで気まずい沈黙が続きました。結局店員さんに迷惑をかけて困らせました。あれから私は買い物する前にきちんと商品名を調べておくことを決めました。
それにしても日本の物価は高いです。中国人の私から見れば高いです。例えば同じ自動販売機で売っているコカコーラは日本では100円ぐらいかかりますが、中国では40円です。初めて学校に行った時もバスの運賃にびっくりしました。仙台駅から尚絅までまさか480円もかかるとは意外でした。それは日本の生活に慣れた今も高いと思います。幸い授業は自分で選ぶので、二、三日に集中させれば単位の心配もなくなりますし毎日学校に行かずに済みました。
私は作文や本を読むことが好きで表現文化学科に入りました。中国には日本語の本は売っていないため、私が読んだ本は全部中国語に翻訳されたものです。だから書き言葉についてもっと知りたいです。言葉を通して何をどのように伝えるのかを学び、自由にそして正確に日本語で文書を書く能力を身につけたいです。 敷地面積で比べれば尚絅学院大学は浙江越秀外国語学院よりずっと小さいですが、正直尚絅の方が綺麗で施設設備が整っていると思います。それに山の中にある大学はさすが環境もいいですし、周りがとても静かです。一度近くの海の見える公園に行ったことがあります。眺めがとても美しくて心地よかったです。
留学生チューターと楊さん、宣さん
最初の日に先生が学科と学内の案内をしてくださいました。シラバスや図書館の案内資料などいっぱいもらった時はなんとなくどきっとしました。ざっと目を通してキャンパス中を回ったら、これが日本の大学だな、さすがに雰囲気が違うな、と心を打たれました。 残念なのは私たち留学生には所属するクラスがないということです。私は勉強に熱心ですが、人との交際はちょっぴり臆病になってしまいます。日本語もろくにしゃべれないですし、こちらから声をかけるのが恥ずかしく感じます。日本大学の授業は初めてで、それに時間割を見ただけでは難易度が分からなくて難しかったら進度について行けないかもしれないと思っていましたが、運よく留学生は全ての学科の授業、しかも全学年の授業が選べるので助かりました。自分は三年生のはずなのに一年生の授業ばかり選びました。
実は日本の学校のクラブ活動はよくアニメやドラマで見ました。私も私のチューターさんと一緒に尚絅の茶道部の部活体験をしたことがあります。前は茶道に関する文章を読んだことがあって、道具と簡単な手順は知っていましたが、自分でお湯を注いで茶を点ててみたらやはり茶道は奥深い文化だと思いました。
私は部活に入りませんでした。週三日しか学校に来ないので、それに尚絅の部活についてはあまり詳しいことは知らないのです。もし入れるのならば、私はバスケ部に入りたかったです。頑丈な体は持っていないようにに見えますけど、バスケのテクニックには自信があります。昔は大好きなのでよく友達とやりました。
この1年間に学校の先生たちやバイト先の先輩たちにもいろいろお世話になりました。ありがとうございました。
今まで積んできた経験はきっとこの先も私の役に立つことでしょう。
松島にて