【国際交流リレーエッセイ 第6回】私の留学生活
2018/10/05
第6回と第7回の国際交流リレーエッセイは、2017年9月より1年間中国の浙江越秀外国語学院から交換留学生として本学で学んでいた宣昆楓さんと楊揚さんの二人の留学の感想や思い出を紹介します。
今回は宣昆楓さんの留学生活の感想をご覧下さい。
私の留学生活
時間の経つのが実に早く、あっという間にもう帰国する日が近づいた。まだ日本に着いたばかりの感覚がしている。去年9月19日の夜仙台に着いた時のことはまだはっきりと目の前に浮かぶが、一年間の留学生活はもうすぐ終わる。
今回の留学によって、これまで本やインターネットで見た日本、理解した日本文化をやっとこの身をもって感じることができた。この1年の留学生活を振り返ると、多くの面で勉強になり、成長するようになったと思う。まずは今まで学んだ日本語を見直すことができた。日本に来て、日本人と実際に接していると、自分が学んだ日本語を場合によって適切に使うのは難しいことだと思った。どんな場合でどんな言葉を使うか、ちゃんと見分ける必要があると実感している。また、日本人の若者の対話を聞くあるいはテレビを見ると、日本語が変わっていることが分かった。たとえば、新しい言葉の出現、略語、単語の使い方や意味の変化、外来語の大量使用、いろいろある。それに対し、私の日本語は論文を書くのには大丈夫だが、話すとちょっと硬く古く感じられる。論文を書くための言葉をいっぱい覚えたが、生活に必要で簡単な日本語をうまく生かすことができない。これらの問題を発見し、これから日本語を勉強するのにどう努力すればいいか方向性がみえてきた。
仙台空港に到着した時の様子
仙台へきたばかりのころ、天気はまだ暑かった。しかし、青空と綺麗な空気は私にとってはとても久しぶりだった。私たちが生活するところは仙台市宮城野区というところだった。寮は日本の住宅団地の中にある。寮の建物はあまり大きくなかったが、家の前に小さな庭があって、とても綺麗だ。来たばかりの時、まだ夏休み中だったのだが、毎日ルームメートと一緒にスーパーへ買い物に行くことが日課になった。夜の8時ごろ、寮は急に賑やかになる。それはその時間帯にスーパーでは商品を半額で販売し始めるため、みんながそれを買いに出掛けるからだ。肉はもちろん、果物は一つ一つで販売ずる。これらは中国人の私たちにとっては初めはかなり不慣れであった
日本で一年間生活すると、日常生活のいろいろな面からも日本や日本人をもっと理解するようになった。日本人は環境を大切にし、空間と資源を最大限に利用する。他人と付き合う時、礼儀を重視し、お互いに一定の距離を保ち、相手の私的生活に深入りしない。たぶんそのために、日本人はほとんどやさしく見え、過激な言葉や行動をする人は少ない。また、日本人は目や体での交流が少ない。授業の時、全然学生を見ない先生もいるし、ずっと頭を下げるままに発表する学生もいる。
実は今度の留学生活自身は私にとって一つの挑戦だった。特に大きな挑戦は、お寿司屋さんでのアルバイトだ。アルバイトの経験はとても面白くて、自分の生活費だけでなく、多くの日本人の友達をできで、本格的な日本の寿司の作り方法も把握できた。そして、3ヶ月ぐらいのアルバイトの経験を通して、私は日本人の生活に一歩近づいた気がした。アルバイトをして、ひとつのことに気がついた。耳に入る最も多い言葉はおそらく「すみません」だろう。日本人は人に迷惑をかける時はもちろん、ほかの場合にも「すみません」と返事することが多いようだ。アルバイトを始めたばかりのころ、客に料理を出すとき、私が想定していた「ありがとう」という返事ではなく、意外にも「すみません」という言葉を頻繁に耳にした。別に客が私に謝る必要はないのに、なぜ私に謝るのかどうしても理解できなかった。ある授業で、日本人が恩を感じることを重視するのだと習ったことがある。日本人は「比較的に縁の遠い人から、図らずも恩恵を蒙ることは、最も不快に感じるところである」と。たとえ私のような縁もない店員であっても、日本人に見れば、恩を蒙ることになるのだろう。
宣くんの送別会の様子
日本に来る前、私は一人で生活したことがなく、料理を作ったこともほとんどなかった。学校では、毎日ルームメートと一緒で、食事も食堂で食べる。家に戻ると、母が料理を作ってくれる。日本に留学に来て、一人で住み、自分で買い物し、料理を作り、毎日の生活は自分でちゃんと計画を立てなければならなかった。この留学のおかげで、今の私は来る前より自立力と計画性を持つようになった。また、自分の生活習慣も大分変わってきたと思う。日本に来る前に、手帳という物を使ったことが一度もなかった。約束とか予定とかは全部頭の中に入れていた。それで、しょっちゅう約束を忘れたり日にちを間違えたりして、毎日ばたばたしてとても疲れた。日本に来て、手帳を持っていない人をまだ見たことがないほどで、最初はとても不思議で面倒くさいと思っていたけれど、でも、実際一回使ってみるともう手放せないほど頼りにするようになってしまった。結局、限られた時間を有効に利用することにも、人との約束をちゃんと守ることにも、手帳を使うことがとても大事だと思う。とても小さな事であるが、私にとってはとてもいい習慣ができたと思う。
以上、私がこの留学生活によって感じたことをいろいろな面から語った。この一年間は私にとって非常に大切な体験だ。留学生として、これから私はこの大切な体験を身の周りの人々に伝えるのに頑張り、彼らの心に少しだけの変化を起こすことができれば幸いだと思う。
一年間、いろいろ勉強になりました。いろいろお世話になりました。誠にありがとうございました。
仙台でよかった。
尚絅でよかった。