【学校教育学類】 授業紹介「教育制度」(新任教員・五十嵐誓)
2022/05/23
本授業は,学校教育学類の4年生を対象とし,「我が国の教育制度・教育法規について理解し,学校の教育活動との関係性について説明できる」ことを目標として行っています。
小学校,中学校,高等学校では,「主体的・対話的で深い学び」をめざした授業実践が行われています。教職に就く予定の学生には,少しでも来年4月からの授業の進め方の参考になればという思いがあります。何より,新型コロナウィルス感染症のため,2年半近くも学修に一定の制約がかかっている状況のなかで,他者と直接関わりながら学びを深める「意義」と「愉悦」を改めて感じた上で,社会に出てほしいと考えました。
進め方は,4人一組のグル-プになり,持ち回りで担当者が,テキストの内容を3人に報告します。そこは,さすが4年生。「教師役」を演じ指名しながら進める方,図表入りのレジュメを用意して理解を図る方,穴埋め問題まで用意して最後に「テスト」をしている方と,さまざまな工夫を凝らし,これまで培ってきた「指導力」をいかんなく発揮していました。和気藹々と学びを深める姿に,私が見惚れてしまうこともしばしば。
後半は,前半で学んだ教育制度や法規を受け,実際に生起する課題をどのように考え,解決するかを話し合います。
いわゆる「教育機会確保法」を学んだ際には,「私たちは,不登校児童・生徒が少なくなるために,どういう対応をとればよいのだろうか。」というテ-マで,少なくする必要の是非も含めて,方策を話し合いました。
授業後の学生の感想を一部紹介します。
「私のグル-プでは,「学校は地域や家庭と協力する」「担任は児童とのコミュニケ-ションをしっかりとる」が優先となった。だが,対応をする上では,優先順位などないだろう。誰もが子どもを想い,自身ができる最善の方法をとるべきである。私も教師になった際には,子どもに寄り添い,良い影響を与えられるような対応をしていきたい。」
「話を聞くだけでなく,周りの人と意見交流する時間や質問する時間等のディスカッションが多めに設けられていたことで,他の人の意見を知った上で自分が課題についてどのように考えているのかということを改めて振り返ることができました。自分が授業を行う際にも取り入れていきたいと感じました。」
教育制度・法規について学ぶことは,複雑で簡単には解が見いだせない教育に向き合う際の指針を得るということ。そして,血肉として活かすのは当事者たちであるということ。どの仕事に就いても,「教育」という語句が置き換わるだけで,通底する考え方は同じだと思います。
「授業紹介」と「自己紹介」。音が似ている(!?)ことをいいことに,つい「授業紹介」をしてしまいました。4月に本学に着任した私への依頼は,後者でした。次の担当時に自己紹介をさせていただきます。