【学校教育学類】 理科を楽しむ(新任教員・田幡憲一)
2022/05/16
私は理科の教育方法や理科の教材を研究しています。
理科という教科は、小学校のときには観察が主体で人気が高いのですが、中学校、高等学校へと進むにしたがって、嫌われる教科になっていくようです。「式をたてて計算したり、筋道を見つけて緻密に考えたりすることが増えるから嫌なんだ。」と考える人が多いのはわかります。一方で、「式をたてて計算した結果や、筋道をたてて緻密に考えた予想が実際がビタっと合ったら気持ちいい。」と考える人もいます。
子どもたちの理科に対する態度は多様ですから、理科教育に関する研究も多様です。わかりやすく基礎基本を伝える方法を考えたり、子どもたちの興味をひきつけるような教材を探したり、いろいろな研究があるのです。 私は、習った知識や技術を使って楽しむ理科の教育に興味を持ってきました。次のような問を追究するような理科授業プログラムです。
例1:「植物のからだは根、茎、葉にわかれている。」と小学校3年生で習います。花が咲く前の種子植物のからだの説明としては、ほぼユニバーサルに成立する命題です。では、マーケットで売られているタマネギの可食部分は、根でしょうか?茎でしょうか?葉でしょうか?
例2:1枚のレンズでできている虫眼鏡で観察するときにはピント合わせをしないでもいいのに、対物レンズと接眼レンズを使う顕微鏡で観察するときにはピント合わせが必要になるのはなぜでしょう。
両方とも学校で習ったことや、観察実験の中で体験すること、生活の中で培っていく常識を使って丁寧に考えていくと、理解ができます。
15年ほど前から、オリジナルなアイデアが出てこなくなったので、学生さんや小、中、高等学校の先生方と遊びながら、彼らが時々だしてくる理科教育に関わるおもしろい話を、大きく育てていくことを楽しみとするようになりました。
こっちのほうが性に合っているかも知れない・・・・。