【学校教育学類】 美術館へのお誘い(相馬)
2021/05/31
図画工作科を担当している相馬亮です。今日は、みなさんに美術館へのお誘いをしたいと思います。
ここ最近、美術館へと足を運ばれた方、どの程度いらっしゃるでしょうか。入学した学生たちに話を聞いてみますと、今まで一度も美術館に行ったことがないと回答する学生が、毎年1割はいるようです。「敷居が高そう」とか「絵の見方がわからない」とか、その理由は様々です。
さて、美術館で作品を鑑賞する際、大人と子どもの作品の見方は全く異なるという話があります。これは一体、どういうことでしょう。答えは、大人はまずキャプション(作品下に掲示してある解説文)を見るが、子どもはすぐ作品を見る、それが見方の違いです。つまり、大人はいつ、誰が、どのような画材を使ってその作品を描いたか、それを知ることが初めにありきなのです。
これには大きな理由があります。それは、これまで学校教育の中で実践されてきた「鑑賞教育」は知識偏重型がほとんどで、作品の本質に迫ることよりも知識を教え込むことが重視されてきたからです。つまり私達は鑑賞の仕方を学ばないままに大人になってしまったのです。
この話を始めると、コラムの枠ではとても収まりきれませんので、本当は私の「図画工作科教育法」の授業を受講していただくことをおすすめしたいのですが、なかなかそうもいきませんので、今日は素晴らしい2冊の本をご紹介したいと思います。
【写真左】上野行一『私の中の自由な美術 鑑賞教育で育む力』光村図書、2011年
【写真右】末永幸歩『13歳からのアート思考』ダイアモンド社、2020年
ぜひご一読いただいてから、美術館へと足を運んでみてください。きっと今までとは違った作品鑑賞ができると思います。鑑賞後は、美術館併設のお洒落なカフェで余韻に浸ることもお忘れなく。