【学校教育学類】 山の学校 海の学校
2026/09/30
高校生のみなさん,こんにちは。
みなさんが学んだ小学校,中学校は,どのような学校で,どんな教師との出会いがありましたか。
先日,学生と二つの学校に行ってきたので紹介します。
まず,山形県小国町立小国小学校です。
ゼミに所属している4年次の学生が同校出身で,教師をめざすきっかけとなった当時の担任教師の学級経営について,今度は大学生の視点から分析するための訪問です。
校舎に入るなり,圧倒されたのは同町の主産品の一つである木材をふんだんに活用した校舎です。はじめてお邪魔したのですが,どこか懐かしく,そして温もりが感じられる校舎です。
教室に入ってさらに感じたのは,包み込まれるような穏やかさです。学生の恩師である担任の先生に伺ったところ,どの子どもも安心して学べる学級経営に努めているとのこと。著名な実践家である菊池省三氏の学級経営について,学生が在籍していた当時から現在に至るまで,継続して自ら学んでいるとのことでした。
今後,学生が定期的に小国小学校を訪問し,卒論として文章にまとめていく過程は,来春教壇に立った際の,自身の「座標軸」になるに違いありません。
学生の感想を紹介します。
「私は今回10年ぶりに小学生の頃の担任の先生にお会いしました。当時のことを思い出し、懐かしく温かい気持ちになりました。このような思い出のある先生からご指導いただけることをとてもうれしく思います。この機会を大切に、多くのことを学びたいです。」
続いて訪れたのは,宮城県塩竃市立浦戸小中学校です。
昨年度,本学の学生2名が教育実習でお世話になったことが,縁を結んでくれました。塩竃港より,船でおよそ30分。松島湾内,浦戸諸島の野々島にあり,震災後宮城県内では唯一離島にある学校です。3年のゼミ生に,学校が立地している環境に応じて,どのような教育活動が行われているのかを実際に学んでほしいと考え,訪問しました。
港から15分程歩いて見えてきたのは,洋上を颯爽と飛び交う海鳥の壁画が描かれている校舎です。仲間と共に,生き生きと学んでほしいとの願いが込められているように思えました。
各教室を訪問し感じたのは,少人数の学級が持つ,子ども同士,そして担任の先生との関係の深さと確かさです。自然な会話を通じて,学ぶことを楽しみながら学習を深めていることが見て取れました。塩竃市全体で,佐藤学氏の「学びの共同体論」に基づき実践してきたことも大きいのかもしれません。
学生が教育実習でお世話になってから,1年ほど経つにもかかわらず,先生方や子どもたちから親しみを込めて話しかけられている姿にも,大事に指導してくださったことが伺われました。本人にとっても,一生忘れることのない経験として心に刻まれているに違いありません。
ゼミ生のなかに塩竃市と松島町出身の学生がいますので,二人の感想を紹介します。
「浦戸小中学校の存在は知っていたものの、実際に訪れる機会がなかったため、新しい学びが多くありました。島でしか体験できない産業体験や、少人数での学びがとても魅力的だと感じました。また、島の方々もとても優しく、安心して島巡りをすることができました。(塩竃市在住学生)」
「見学の中で特に驚いたこと、学びが大きかったことは複式の形態で授業を行っていることです。複式の授業を初めて知り、今まで模擬授業等で身に付けた、想定してきたこととは違うスキルが必要になると感じました。また、児童同士,児童と教師の関係がより深く、親密な間柄も感じ取ることができました。(松島町在住学生)」
海の学校と山の学校。
置かれている環境は異なるものの,共通しているのは,教職員の方々の子どもの個性を踏まえた関わりを中心に,地域とのつながりを積極的に活かしながら,今後の教育のあり方を見据えた実践を行っている,その進取性です。
・「小国町立小国小学校」のHP
http://www.ygt-oguni-j.ed.jp/oguni-es/top.html
・「塩竃市立浦戸小中学校」のHP
https://sites.google.com/gs.myswan.ed.jp/2277urato/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0
現在,私たちの住む東北地方を含め,全国各地で急速な少子高齢化により,学校の統廃合,そして地域の過疎化が進んでいます。その中にあって,いや,そうであるからこそ,今後の教育のあり方について考えさせられる取り組みが進められていることを,2校の訪問を通じて感じました。
高校生の皆さん,本学でこれからの学校,そして教育のあり方について,共に学んでみませんか?
(学校教育学類:五十嵐誓)