【学校教育学類】ホスピタルアート/病院の壁に施された魔法
2025/05/16
本年度より尚絅学院大学に着任しました成田まいです。
医療機関で心理職として勤務していましたので、主な授業として「病弱教育論」「病弱者の心理・生理・病理」を担当します。専門分野は、臨床発達心理・特別支援教育です。
特別支援教育の対象には「病気の子どもたち」も含まれています。
子どもたちが多くの時間を過ごす学びの場は学校ですが「病院」で学習をしなければならない子どもたちがいて、
・ベッドサイドでのオンライン授業
・院内学級で先生と対面授業
・病院に併設した病弱の特別支援学校に通学
など、学びの場は多様化し続けています。
医療の進歩により入院は短期化しているものの、病状によっては長期入院を余儀なくされる子どもたちもいるのが現状です。そんな子どもたちの心拠り所のひとつに、壁いっぱいに描かれたホスピタルアートがあります。
ホスピタルアートとは:
患者さんやご家族、医療従事者など病院にいる人々が、医療環境のなかでアートと関わり合うことによって、より良い影響が生まれることを目指すもの。建築に装飾を施すことが目的ではなく、患者さんとのアートを介した関わりの質を重視している。(参考:ひといろプロジェクト)
『無機質な病院が一瞬で安らぎの空間になる魔法みたいな壁画。元気がないときに足が向いてしまう場所。明日を迎えることが不安な状態でも毎日そこに在り続ける元気の源。なくても支障はないけれど、そこに在ればホッとできる話し相手。』
ホスピタルアートの役割は様々です。
身体的につらい治療を強いられている子どもたちにとっては、心理的な安定を図れる対象は非常に重要なものといえます。何かを果たせるわけではないけれど、いつまでも変わらずに寄り添い続けてくれる、そんなアートの可能性に医療者たちも期待を寄せています。
ということで、
ホスピタルアートのように、そこに在るだけで安心できる存在を目指していきます。
(学校教育学類:成田 まい)
高知放送:#212 壁に願いを~安らぎのホスピタルアート~