尚絅学院大学

学校教育学類 お知らせ

【学校教育学類】学生はどのように学びを進めているのだろう?(大谷ゼミ)

2024/11/21

本学類は小学校教員を目指すことを中心とした学びを展開していますが、副免許として中学校の国語科や保健体育科、特別支援教育の免許を取得することもできます。
私が国語科教育科目を担当していることもあり、ゼミには国語に興味をもつ学生が多く在籍しています。

小学校に入学してから、中学校を卒業する義務教育段階で、最も多く授業時数が設定されているのが国語科です。
国語を使って他の教科も学習を進めることになるので、国語科の指導力を高めるということは教師にとって大切なことです。

それでも、国語のどのようなところに興味をもっているか、将来どのような教師を目指しているかは、同じゼミに所属している学生でもかなり異なります。
そこで、大谷ゼミに所属している学生たちはどのように学びを進めているか、実際に聞いてみました。
以下、3人の学生の記事です。
少々長いですが、それも熱意の表れ。ぜひ最後まで読んでください。

 

 学校教育学類では「小(中)学校の先生になるため」の授業が大半を占めています。対して中学校国語の教員免許取得に関する授業では直接教育につながるものだけではなく、国語をより専門的に学ぶ「国文学演習」などの授業もあります。これらの授業では作者の生い立ちや当時の時代背景、使われている言葉の特徴から作品について分析を行います。授業の中では学生と教師が一緒に「作品の中で○○という言葉が多く使われていることから△△と考えます。」「作品の別な場面では××という言葉が使われているから、私は△△ではないと思う。」と互いの意見を交換し合ったりもします。私は高校まで国語に関して「文章の中から必要な情報読み取る力を養うこと」が基本的な認識でした。しかし、大学の授業でより専門的な国語に触れることで、「作品や文章を脳内で鮮明に浮かびあがらせるためにいろんな視点から読み考える」というもっと自由なものだと気づくことができました。

 また、中学校国語の教員免許取得に関する授業には「国語科教育法」があります。これはⅠ~Ⅳまであり、約60回(4授業×15コマ)の授業を通して国語の授業で必要な力について学ぶことができます。この授業の特徴は学習指導案作成や模擬授業という実践的な活動が多く含まれていることです。学習指導案を作って終わりや模擬授業をやって終わりとならず、それぞれ全員で検討を行うため、作成者(授業者)は自分の考えた授業が相手にどう見られていたのか、何を直すべきなのかを具体的に見つけることができます。また、検討者(児童生徒役)は相手の学習指導案や模擬授業から「自分ならどうするか」を考えることで自分の学習につなげることもできます。「国語科教育法」実践重視の授業なので、私もこの約60回の授業を通して、授業を行う上での技術を学ぶだけでなく、学習指導案を書くことや人前で授業を行うことに関する自分の癖などの自己理解ができました。

 国語には「読むこと」「書くこと」「話すこと・聞くこと」の3つの領域があります。「国語科教育法」では主に「読むこと」について深く学ぶことができます。それに対してゼミ(大谷ゼミ)では「書くこと」「話すこと・聞くこと」に関する授業方法についても学ぶことができます。また、ゼミでは各授業前にゼミ生が国語にまつわるミニゲームを行い、楽しみながらより国語に関して向き合うことができます。日頃からゼミ生と先生の距離が近くそれぞれが和気あいあいと活動をしています。また、活動の合間での雑談では「自分が先生になったら○○をしたい」という話題で盛り上がったり、大谷先生が現職の頃のお話を聞いたりなど、将来の教師像を胸に生活をしています。

 私は「児童が遊びや活動を通して楽しく学ぶことができる小学校の先生」を目指しています。そのためには学校生活あらゆる場面で児童がしっかりと理解できるように伝えることが必要です。近々行われる教育実習では、大学で学び考えた「児童への伝え方」がどれだけ実践で通用するのか、はたまた足りないのかを経験し学んでいこうと思います。
(3年 T・I)


 

 私が国語の免許を取得しようと思ったのは今後生きていくうえで必ず必要になる話す、聞く、書く、読むという力を高め、教師になることで子供たちにそのことを伝え育てていきたいと考えたからです。大学入学前までは国語はとりあえず文章を読んで試験でよい結果を残すだけの科目であると考えていましたが、現在では大学で国語に関する知識を深めることで、国語の免許を取得しよう考えるほどに意識が変化しました。

 皆さんが気になるゼミの話に移ります。私が入っている大谷ゼミは国語に関心のある学生が集まり、国語に関することについて各々テーマを定めて研究をしています。ゼミの雰囲気はとてもよく、仲間たちと協力しながら教育現場における国語のあり方について学びを深めています。愉快な人が多くて羽目を外すこともあるので、単位について不安になり夜も眠れなくなることもあります。しかし、国語に関することを深く学び教育現場で活かしていきたいのならばとても役立つゼミになっているので、国語の先生になりたいのならばおすすめです。

 私は11月に教育実習が終了したので、教育実習と大学の学びについて話したいと思います。まず初めに、大学で学んだことは教育実習で本当に役立つのかということですが、教育実習に行くまでに学んだことは僅かではあるが役立ちました。しかしながら大学で学んだことが全て実習で役立つかと言われればそのようなことはなく、教科書に載っているような指導の仕方が全て正解というわけではありませんでした。なぜならば、実習では実習先の子供たちに合った適切な指導をしなければならないからです。そのため、講義で教育について学んだ気になり、いざ実践と意気込みながら大学で学んだことをそのまま実践してしまうと、適切な指導を行うことはできず気まずい雰囲気ができあがります。その結果として、無為な1ヶ月間を過ごすことになります。知識だけ蓄えていても、それを実習本番で全て発揮できるわけがありません。だからこそ普段の講義でただ聞くだけではなく、それを咀嚼して授業の場をイメージし、実習の場で実感的に理解することが大切だと考えました。

 さて、最後に私の目指すこれからの教師像について語っていきます。私は教育実習で子供たちに寄り添うことの大切を実感しました。そのため、ただ勉強を教えるだけではなく、共に学び、悩みながら成長していける教師を目指したいと考えました。いきなりこのような先生になれるとは考えていません。おそらくこの教師像は容易に打ち砕かれると思います。しかし、最終的にはこのような先生になっているはずなので、自分の目指す教師像を揺らがせることなく努力していきます。
(3年 T・K)

 

 元々私は小学校の免許のみを所得しようと思っていたのですが、せっかく大学に来ているなら、取得できる免許は全部取ろうと思い、国語の免許を取得しようと考えました。私は読書が好きなので、物語文などがある国語科は好きだったのですが、講義を通して、国語がとても奥深いもので、人に教えるということはそれだけ国語を理解しておかなければならないので、とても難しいことがわかりました。

 大谷ゼミの雰囲気はとてもアットホームで、ゼミ生も活発で、明るく気概があります。また、大谷先生も学生の相談を親身になって聞いてくださったり、学生を等身大に見てくださったりするのでとても活動しやすい環境になっています。大谷ゼミでは文学作品の分析を行ったり、教員になったときの学級だよりの書き方を学んだり、自分たちそれぞれの研究の方向性を考えたりと、様々な活動を行っています。

 先日、教育実習に行って感じたのは、大学の学びがとても大事ということです。大学ではすべての教科の指導法を学ぶことができます。実習では大学で学んだ指導法を駆使して、指導者がどういう発問、どういう環境を作ったら、児童が深い学びを得ることができるのかを考え、実際に子どもたちに授業をすることで、指導者としての経験と学びを得ることができました。

 私のなりたい教師像はすべての子どもに寄り添える教師です。私は高校2年生の時にテレビで報道していたいじめのニュースを見て、自分が教師になって、いじめをなくしたいと思い、教師という仕事を目指し始めました。私が教員になったらなによりも児童を思い、寄り添い、児童が悩みを抱えなくていい環境を作りたいと考えています。大学の授業や教育実習、サークル活動で色々な経験を積み、現実を見てきましたが、自分の教師像は変わっていません。自分の目指す教師になるためにこの尚絅学院大学で、この大谷ゼミでより学びを深めていきたいです。
(3年 Y・T)

10月7日の記事でも言及されていますが、どのようなきっかけで、どんな教師を目指すことになるか、タイミングを含めてそれは本当に人によって様々です。
その中で、たまたま国語に関する学びを自身の教師像の一部に考えてくれた学生と、私も一緒になって学び続けていきたいと思っています。
一緒に国語科、そして教師像について考えてみませんか?

(学校教育学類:大谷 航)