【学校教育学類】2年目を迎えたリモート学習支援モデル事業
2024/04/09
学校教育学類特別支援領域では、教育臨床活動を行うことを通して、教育支援力の育成を目指しています。教育臨床活動として力を入れてきたのは、リモート学習支援です(図1)。2023年度は、宮城県塩釜市立小学校3校、石巻市立小学校、名取市立小学校2校のLD児を対象に、読み書きのリモート学習支援を行いました。あわせて2023年度後期には、宮城県子ども総合センター発達障害者支援班と連携し、「読み書き困難へのリモート学習支援モデル事業」の1年目の事業を行いました。リモート学習支援モデル事業は、2024年度に2年目を迎えます。
1年目の事業では、角田市立小学校のLD児2名を対象に、リモート学習支援を行いました。支援は12回にわたりました。第1回目と第6回目、第12回目の支援では、発達障害者支援班スタッフと学校関係者による見学をもとに話し合いが行われ、支援が評価されました。その結果、リモート学習支援の効果として、学習困難の軽減を認めることができました。学校と福祉の2領域の関係者によってリモート学習支援の効果が確認できたことは、2023年度の大きな成果です。
リモート学習支援では、教材をPCで呈示しますが、子どもとの対話も大切です。苦手であったところが改善したことを子どもに伝えることで、学習性無力感の軽減につなげます。リモート支援に参加する大人は、学校の教員ないしは保護者、大学生と大学教員です。特に保護者に支援内容をお知らせすることは、大学生にとって緊張することですが、支援の成果や見通しなどを保護者と情報共有する時間は、得難い経験となります。
本年2024年度は、一年目の子どもを継続するとともに、新しい参加者を含めて実施することになりました。支援の手順として、図2に示す流れが示されています。子どもを取り巻く支援環境の一つとして、今年度のリモート学習支援の充実がさらに期待されています。
(学校教育学類:小池 敏英)
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図1 リモート学習支援の様子
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図2 リモート学習支援モデル事業の流れ