【学校教育学類】日本の温泉と台湾の温泉
2024/03/22
昨年の11月に台湾の温泉を調査する機会がありました。私自身2005年以来の台湾での温泉の調査で、温泉水の採取や分析等のフィールドワーク、温泉祭りへの参加、勉強会への参加等非常に有意義な数日間でした。これを機にいろいろな分野の方と知り合いになることができ、台湾への調査にも毎年行けることになりました。次回は学生と一緒に調査に行ければと考えています。
台湾は1895年から1945年まで日本が統治していたため、台湾の温泉はその当時の日本人が開湯したものが多く、そのまま利用されているものもあります。それらの温泉の中には、日本人が多額の私財を費やして整備された施設や公園などが多く残っており、日本人が温泉好きなのは昔からなのかなと思ってしまいます。
日本では「温泉法」という法律があります。1921年に日本薬学会協定により、温泉は「地域における年平均気温より高い温度を有する温水」と定義されました。当時の台湾の南端の高雄市の平均気温が24.7℃であったため、25℃以上が温泉とされ、戦後制定の「温泉法」にもそのまま25℃が採用されています。今の日本の法律に台湾の影響があるのは面白いですね。
このように日本には温泉に関する法律がありますが、実は台湾には温泉に関する法律がありません。そこで日本における「水道局」にあたる部署が温泉の管理を行っていますが、なかなかうまくいっていない面もあるようです。水資源の保護や持続的な温泉の利用のためには、しっかりと法律で保護していく必要があるかもしれません。
(学校教育学類:齊藤 敬)
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新北投温泉地熱谷での調査風景
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行義路温泉の源泉の調査
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金山総督温泉(当時日本の総督府が資金を出して竣工した温泉)