【学校教育学類】 本年度後期のリモート学習支援について(小池)
2023/11/17
小池研究室では、特別支援教育の知識を基に、教育臨床活動を行うことを通して、教育的支援を行う力量形成を目指しています。
教育臨床活動として力を入れてきたのは、リモート学習支援を行う力量です。本年度の後期では、宮城県塩釜市立小学校3校、名取市立小学校2校、角田市立小学校1校のLD児と知的障害児の読み書き学習を、リモート学習支援でお手伝いしています。
リモート学習支援では、教材をPCアプリで呈示します。以下の写真はリモート学習支援をしている様子です。
最後に、とても印象に残った指導について、私の感想文として紹介します。
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今日の指導は、お昼休みに行う指導でした。、同時に、8名の学生が、2つの小学校の子ども8人のリモート支援を行いました。リモート支援の時間は30分です。
今日の4年のA君の指導では、パソコンの前で、「いやだ、やりたくない」と言って、顔を下に向けていました。私は、リモート支援を担当している学生の後ろで見ていました。担当の学生は、対応に苦心して、いろいろ言っていました。
きっかけは、「少しでもやって、終わりにしようよ」という一言でした。A君は「それならやる」と顔をあげました。
漢字の書字支援でしたが、この支援では、漢字をブロックに分けて、手がかり言葉を書くプリント教材を使います。このプリントは、反復して字を書くプリントではなく、書く分量が少なかったので、「少しでもやる」ということにマッチしたと思います。それをきっかけに、取り組みがはじまり、その後、最後まで課題に取り組むことができました。先方の小学校の先生から、後でメールがきました。そこには、リモート後、「次はどうするの?」と尋ねたところ「やる。約束した」と答えてくれたことが書かれていました。また、担当した学生の方に対して、丁寧な謝意が書かれていました。
リモート支援は、パソコンだけでつながっているので、やり取りの範囲が限られています。子どもにしてみれば、席を立って後ろを向けば、簡単にやり取りを断つことができます。それをしないことは、パソコンの中の学生の一言に心が引かれ、それを持続させて立ち直ることができたのだと思います。
リモート学習支援を続けていくことは、「興味を自ら持続させていく」力を育てることにつながっているのだな、と感じました。
リモート支援は、子どもと会話が始まると、子どもと担当学生の間だけでコミュニケーションが進行します。子どもが満足のいく学びを提供できたということは、担当学生の力量だけで得た成果なので、得難い経験になっているようです。
8名の学生が、教室の中で同時にパソコンに向かっているのですが、リモート支援の後は、みんな、とても充実した顔になっています。