【学校教育学類】 温泉学への誘い:「学びの場」としての温泉 (齊藤)
2023/03/21
日本は温泉が非常に豊富な国であり、全国に約3,000か所近い温泉地があります。温泉は日本の文化の一部であり、多くの人々が健康やリラックスのために利用しています。
露天風呂や岩盤浴、マッサージなどのリラクゼーション施設が整備され、日本の伝統的な食事や文化も楽しめる場所が多数存在しています。
また、日本の温泉には多くの種類があり、泉質によって効能が異なります。たとえば、美肌効果のある美人の湯、神経痛や関節痛に効果がある硫黄泉、冷え性や疲労回復に効果がある炭酸泉などがあります。
実は私は学生時代から『温泉』の研究を行ってきました。このことを知った人は「研究でいろいろな温泉に入れてうらやましい」なんて言ってきます。しかし、現地調査の際は1日に何カ所も温泉地を回って温泉水を採取したり現地で簡易的な実験を行ったりと、ほとんど温泉に入ることができません。そのため申し訳ないのですがどこの温泉のお湯がいいなどの質問にはほとんど答えられません。
しかし、これらの調査で全国様々な温泉地を巡る中で、温泉には教育・研究するにあたって非常に可能性があることも感じてきました。
例えば、人文科学や社会科学の分野では、温泉地の歴史や文化、観光産業の発展などを調査しています。また、地球科学や環境科学の分野では、温泉地域の地質構造や水文学的特性、泉質の分析のみならず温泉に棲息する微生物などを研究している人もいます。さらに近年は、温泉の熱を利用した発電などエネルギーの利用に関する研究など循環型社会の実現にも寄与しています。
「温泉学」は非常に学際的な学習ができる場であり、もしかしたら尚絅学院大学の学群・学類制にマッチした分野なのかもしれません。
宮城県にも温泉は沢山あり、いろいろな温泉地に比較的簡単にいくことができます。みなさんも総合的な「学習の場」としての温泉も今後考えてみませんか?