【学校教育学類】特別支援領域では通常学級児童を対象にリモート学習支援に取り組んでいます(小池ゼミ)
2022/09/05
(Ⅰ)読み書きの弱さとリモート学習支援
私達は、「単語をまとまり」として読んでいます。この力は低学年で発達します。リモート学習支援では、教科書の文を用いて、視覚性語彙を育て、まとまりとして読む力を強くします。
漢字読みには、ひらがな読みスキル等、様々なスキルが影響します。単語の視覚的イメージを高め、記憶しやすくします。生活場面でよく出会う単語語彙クラスタを作ります。
(Ⅱ)PC教材の開発
下図のようなPC教材で漢字単語の視覚的イメージを高めます。
(Ⅲ)リモート学習支援の実施
昼休みや放課後に、1週間に1回、約30名にリモート学習支援を実施
(Ⅳ)子ども達に、効果を認めました!(学校からの情報)
4年A君は、受け答えに時間の必要なお子さんですが、毎週のリモート学習で集中して対話することにより、注意深く自分事として聞いたり、自分の考えを相手に伝わるように話すことが上手になってきました。友達や担任の先生との意思表示も、以前より自信を持ってできるようになっています。読みで指導開始前は1文字ずつ拾い読みしていましたが、近頃では意味のある言葉のまとまりを意識して読めるようになってきました。
4年B君は、字の形が整わないことが入学時からの長年の課題でした。点画の方向、長さ、書き順を意識できるようになり、文字の形も以前より大変整うようになってきました。読みの学習では漢字のよみ、いみ、絵の説明、例文つくりを繰り返し指導していただき効果が出ています。
(Ⅴ)学生にとって大切な経験になっています!
「教育指導に対する自信」に関する質問紙調査を、秋光(2011)を参考に作成し回答を依頼しました。「実践的指導力」等の項目について、「とても自信がある」を「5」、「まったく自信がない」を1として、その間を数字で評価してもらいました。支援経験者は、指導習熟段階で、すべての項目で4~5の値でした。(図1)→指導への自信が増しました。
(Ⅵ)学生が学んだこと
学生1:漢字を学ぶだけでなく、学んだ漢字はどのように活用するのかということをクイズにしながら確認することによって、事例が楽しめるような活動にして指導している。また、仮定の話から、自分ならどうするのかということを考えてもらう活動を加えることで、少しずつ流動性知能を高め、自分の判断で行動できるように指導することを心がけた。
学生2:学校生活の学習の場で「私はできないんだ」と否定的になっている児童に対して、少しでも学習が楽しいと思える場を提供できるように、「できた」が対象児自身も感じられるような活動にして指導している。最終的には、その時の指導場面だけでなく、日常の学校生活でも応用し自分なりに学習方法を工夫してできるよう助言しながら指導することを心掛けている。