【子ども学類】造形表現授業のご紹介
2024/05/07
子ども学類の造形表現を担当している相馬です。今日は、私が担当する「保育内容指導法 表現Ⅰ(造形)」の授業について少しご紹介します。
オリエンテーションの授業より
まず、保育では5領域という分野があり、乳幼児の成長を支える重要な指針として、保育所保育指針に記載されています。「健康」「人間関係」「環境」「言葉」、そして、私が担当する「表現」の5つです。本学では、表現領域を「造形」と「音楽」に分け授業実施しています。
「保育内容指導法 表現Ⅰ(造形)」は、子ども学類2年生が履修する科目です。今日は、一番最初の授業についてご紹介します。
大学での最初の授業では「オリエンテーション」として、授業の概要やシラバス、評価の方法や、授業の準備物等について説明を行います。今回は、その後の時間を使用して、今後保育者として現場に出た際に出会う、「子どもの絵」に実際に触れてもらう機会を設けました。
子どもが描いた絵を鑑賞する
今回準備したのは、0歳から6歳までの子どもが描いた作品。各グループに年齢ごとに約10枚の作品を準備しました。写真等では見たことがあっても、実際に子どもが描いた作品に触れる機会は、ほとんどの学生が初めての経験でした。
私からは、以下のような質問を投げかけました。
・何が描かれているか。
・何で描かれているか。
・線で描かれているか。面で描かれているか。
・どのような順番で描かれているか。
・何歳の子どもが描いたのか。
各グループで協議を行った後、子どもの絵の発達順に作品を並び替えてみるよう発問しました。
それぞれに作品の細部にまで着目しながら、熱心に作品鑑賞に取り組む姿が見られました。
答え合わせは、今週の授業で実施する「子どもの絵の発達について」で行います。
海外の子どもが描いた作品を鑑賞する
その後、海外の子どもたちが描いた作品にも触れてもらいました。
今回準備した作品は、スイス、中国、ロシア、香港、アメリカの子どもたちが描いた作品です。
3歳から12歳までの作品を準備しましたが、絵を読み取りながら、環境や文化によって描かれるテーマが大きく異なることや、表現方法や支持体の違い等についても学びを深めたようです。
学生の感想から
授業終了後には、毎回、Webから授業の気づき(ミニッツペーパー)を提出するようにしています。その中から、3名の学生の感想をご紹介します。
・何歳の子が描いたのか、右利きか左利きか、などを友達と話しながら様々なことを考えることができました。今までは絵をみても綺麗、可愛いなどと、見た目だけであまり考えていなかったけど、今回の授業を通して、「絵を読む視点」での楽しみが増えました。描いた子どもの状況や描かれた線質などを考えながら見ることで様々な考えが出てくるなぁと感じました。これからも絵を見る時にそういった、子どもの感性を見つめていきたいと思いました。
・今回の授業ではたくさんの子どもたちが描いた絵を見た。グループごとに年齢順に並べる作業をしたとき、ただ単に上手い下手で並べるのではなく、「目は黒い点じゃなく白目の部分も描けている」ことや、「しっかり首もあり、手は5本指が描けていること」など、細かい部分にも着目して見ることができた。絵を見るだけでも、子どもたちの成長を感じ取ることができた。また、海外の子どもたちの絵の中で、空の色を紫色で塗っている絵があった。自分の中では空は水色のイメージしか無かったので、子どもたちの絵を見て、固定観念に捉われない大切さを学んだ。
・初めて海外の子どもたちが描いた絵を見ましたが、日本とは違う世界観が広がっているのだなと思いました。国や文化が違うだけで、顔のパーツなども全く異なっていて、とても面白かったです。特に印象的だったのは、インドの子どもが描いた絵でした。とても細かい模様が画用紙にびっしりと描かれており、そして顔の表情も日本人とは違い、目が吊り上がっていたり一人一人表情が違かったりと、見ていて飽きませんでした。今まで日本の作品しか見てこなかったので、国が違うだけでここまで変わってくるのだなと驚きました。