【子ども学類】環境を変えれば行動が変わる
2024/02/05
子どものいたずら場面を想像してみてください。
いたずらの内容はどうであれ、おそらく、保護者や保育者が見ていない(だろうと思っている)ときをねらってするいたずら場面を想像したのではないでしょうか。子どもに限らず、人は一般的に、何か悪いと思っていることをしようとするとき、その行為が誰かに見られていないか気にします。裏を返せば、見られている時には、悪い行動は起こしにくいのです。
このように、周囲の環境がどのようであるかによって、人の行動は変わります。環境を変化させれば、良い方向へも悪い方向へも変えることができます。上記のように、人の目があるという環境は、悪い行動を抑制することができますし、これ以外にも、悪いことがなんとなくやりづらい環境というのがあり、これは子どものいたずら場面だけでなく、自己制御や道徳的行動、環境配慮行動の促進等、小さなことから大きなことまで幅広く応用することができます。
このような「環境」と「行動変容」いう視点から様々研究していますが、その中の一つを少し紹介したいと思います。海ごみの約8割は街から発生し、川を流れて海にたどり着くごみだと言われており、この海ごみにつながる街中でのポイ捨てをどうやったら減らせるかということに取り組んでいます。ごみのポイ捨てが多い場所の特徴を調べることで、その場所にどういう特徴があるから捨てやすく、どう環境を変化させたら捨てられにくくなるか、あるいは人が捨てにくいと感じるか、ということを考えて実践研究しています。また、この研究を通して、SDGsの「14.海の豊かさを守ろう」にも取り組んでいます。
この取り組みについては、先日山形県の小学校で出前授業を行いましたので、以下リンクに紹介したいと思います。
(文責:中俣 友子)