尚絅学院大学

第二弾　地域活動ホーム

　特別講義の第二弾は、2022年6月1日（水）2限目、ガッツ・びーと西（地域活動ホーム）の所長阿部浩之先生にご担当いただきました。地域活動ホームとは、在宅の障害児・障害者及びその家族等の地域生活を支援する拠点施設として、横浜市が独自に設置しているものです。障害の程度や年齢を問わず、様々な暮らしの支援をしています。
　主なサービスは、日中活動（受注作業・公園清掃・創作活動などの生活介護及びデイサービス）、生活支援（一時ケア、ショートステイ、余暇活動支援、おもちゃ文庫）、相談支援（自立生活アシスタント、後見的支援制度）、地域交流（地域の拠点、地域の方の出会いの場、イベントの実施）です。
 

当日は以下の内容についてご講義ただきました。
 

・施設概要（『生活空間にし』とは？写真をつかって館内見学）

・支援内容（就労サポートセンター『エヌ・クラップ』及び地域活動ホーム『ガッツ・びーと西』の取り組み）

・実習への心構え（「障がい」についての理解）

学生の学び・気づき・感想

受講した学生たちの学び・気づき・感想のいくつかをご紹介いたします。

・地域活動ホーム『ガッツ・びーと西』と就労サポートセンター『エヌ・クラップ』の非常に珍しい複合施設について建物のフロアごとの設備や役割、取り組みの数々について知ることができました。施設周辺の地域に住んでいる全ての人の拠点として、地域の人同士の出会いや交流の場、生活や活動の場になっていることに非常に魅力を感じました。

・コンサートやお出かけを支援するバスなど、労働だけではなく、利用する方々が楽しさを感じられるような支援があることを知りました。このような楽しさがあることで、生活や人生がより豊かになり生きる活力になるのだと感じました。

・カフェ・レストランやレトルト加工室、ハウスクリーニング等障害者の方でも楽しめて充実できるような工夫がされていると思った。その工夫があることによって、障害があるなしに関係なく自分らしい生活を送ることができるのではないか。

・イベントなどを企画・参加することで障がいを持った方が地域で生活するということが当たり前であるという地域に住んでいる人たちの認識をも変えていこうとすることに感銘を受け、地域に開かれた施設を意識された様々な取り組みを行っていることを学ぶことができました。

・とても考えさせられることばかりだった。障がいがあるから不自由なのではなく、社会にでて、みんなの基準で過ごさねばならないことに「不自由さ」があるのだということや「人」の気持ちや行動でその人の不自由さは「自由」に変わるということは、本当にその通りだと感じた。

・私は障害者支援施設へ実習に行くのがとても不安でした。障害がある方にはどう接しよう、こうしなければならないのかななどと思っていました。今回お話いただき、たとえ障害を抱えていたとしても、一人の人間で、できることは自分でやれるし、助けてほしい時はお互いが助け合うということを学ぶと同時に、障害者支援施設に行くから不安だと思っている時点で壁を自分で作ってしまっていると反省しました。施設とは、支援者とは、利用者さんにとってどんな場所なのか、どんな存在なのか見て、関わって学んできたいと思います。かける言葉に悩んだり、接し方に悩んだりしてしまうかもしれませんが、普段友達や家族に接するのと同じように、相手を思った言葉かけ、行動をしたいと思います。

・障がい児をもつ家族が日常でどのように感じているのか、どのような言葉を必要としているのかを自分なりに考えることができました。障がい者の方が社会の中で私たちと同じように過ごすことができるように、障がいに対するイメージを変えることやその人に合った配慮をしていくこと、心の中のバリアを無くすことが重要だと学びました。

・阿部先生とZoomを介してお会いすることができ、このような大変貴重な機会に恵まれただけでなく、自分の生き方や人間観について深く考えるきっかけにもなりました。人との出会いの一つひとつが現在や将来の自分の人間形成に深く結びついているのだなと思いました。

 

おわりに

阿部浩之先生のあたたかなお言葉とお人柄に触れ、学生たち一人ひとりが心を揺り動かされ大きな影響を受けました。この度は貴重なお時間を割いて下さり大変ありがとうございました。

（文責：子ども学類　兎澤）