尚絅学院大学

地域連携センターからのお知らせ

【地域連携センター】「私たちが農山村とかかわるために~酒田と名取の交流から考える~」講演・ワークショップを開催しました。

2025/02/28

2月3日、本学多目的ホールにて、「私たちが農山村とかかわるために~酒田と名取の交流から考える~」講演・ワークショップを開催しました。本学のほか、宮城大学さんからも参加者がおり、計33名の学生が参加しました。

本イベントの目的は二つあります。一つは、東北の将来を担う若者(学生)たちが、東北の農山漁村と自分たちがこれから、どのように関わることができるのか。その将来を自分ごととして捉える想像力を身につけてもらうことです。もう一つは、昨年7月25日の甚大な豪雨災害に対し、東日本大震災の被災地である名取で学ぶ学生たちは何ができるのか、行動のきっかけとすることにあります。そこで酒田市八幡地区大沢集落に関わる二人のゲストをお招きし、イベントを進めました。関東出身、在住の川原綾子さんはコピーライターとして働くなかで大沢集落に足繫く通うようになり、大沢集落の農村RMO「大沢わぐわぐ協議会」の事務局長や、2023年より開催されている「庄内風と土の美術館」の実行委員などをつとめています。阿部彩人さんは酒田市出身で、大学進学を機に上京しましたが、2018年より地域おこし協力隊としてUターンしたのち、豪雨災害後は「酒田やわた未来会議」の代表として、地域の復興にあたっています。まずお二人に、移住者の視点、地元の視点から、若者が農山村に関わるためには何が大切か、経験を交えてお話いただきました。

左:川原綾子さん  右:阿部彩人さん

左:川原綾子さん  右:阿部彩人さん

その後はワークショップの時間です。アイスブレイクとして大沢地区で踊られる「大文字音頭」を参加者全員で踊った後、「被災後の大沢地区で、大沢に関わる人、行きたくなる人を増やすアイデア」を考えるグループワークを実施しました。6つのグループそれぞれが一生懸命考え、ゆるキャラ「大ちゃん」や、ボルダリング施設の開設、荒瀬川での「ガニ汁祭り」の実施など、若者らしいアイデアが多く出されました。参加者による投票の結果、「大ちゃん」を考えた「Bチーム」が一番人気となりました。


なお、本イベントは宮城県選挙管理委員会との共同事業として実施されたものです。こうした取り組みは選挙とは関係なさそうに思えますが、リアルな現場の現状を知り、その未来を自分ごととして捉え、実践していく力を身につけていくことは、実は深く関係しています。SNSの普及など真偽不明の情報が身近で氾濫している現在の社会では、単純に投票率が向上しさえすればその分だけ社会が良くなるとは限りません。一人ひとりの若者が、実際の現場から社会のリアルを知り、本質的な考える力を養うことが、投票行動にもつながっていくことが大切なのです。

今回は大沢集落に関わるお二人に、本学まで来ていただきましたが、こちらから現地へ伺うなど、これから実際に地域との関わりを深めていけたらと思います。参加した学生は今回だけのこととして考えず、これからも自分ごととして、関わりを続けてもらえたらと思います。 改めまして、イベントの開催に際して多大なるご協力をいただいた川原さんと阿部さんに厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。


地域連携センター
社会部門 准教授 岡田 航

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