2018 『アウシュヴィッツ平和博物館』スタディ・バスツアー報告
2018/07/20
訪問先:アウシュヴィッツ平和博物館
第二次世界大戦の中で起きたナチスドイツによるユダヤ人の強制収容が行われた施設の一つである、アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所の凄惨な歴史について学んできた。加えて、原発発電所の被災の記録にも触れることができた。
私のツアー参加前の知識としては「ユダヤ人がナチスドイツに迫害され、大量に殺害された」という授業としての、表面的なことしか知らず、自身とは関係がないものとして考えていた。今回の学びを通し、アウシュヴィッツ収容所で起こった残酷な行為は、必ずしも自身と関係がないと言い切れない事実があることを私に伝えてくれていると感じた。
アウシュヴィッツ博物館で見たもので私の目を引いたのは残酷な惨殺や迫害に対するアンネの言葉である。「なぜ戦争をするのか、なぜ人々は仲良くできないのか」という15歳の少女に考えさせる社会が当たり前に存在していたことに、頭を強く打たれたような衝撃を感じた。日常的に隣人が殺害される生活、次は自分かもしれないという恐怖との共存は悪夢や物語ではない、実際に行われた人類の恥ずべき行為である。
アウシュヴィッツ収容所を含め、行われた悲惨な行為と原発発電所による被災は等しく人の営みにより生じた“人災”である。人災は自然災害とは違い、回避可能である。どうして私たちは歴史を学ぶのか考えた場合、同じような災害を繰り返さないためではないかと私は考える。
今後私たちは社会に出て、働くようになる。その時に、自分の行動や環境について考えることが災害を繰り返さないためにできることではないだろうか。自身一人の考えくらい世間では関係ないという認識で行動する人がたくさんいれば、それは大きな力を持つことで「歴史は繰り返される」という言葉の通りになり、人災の一つの原因になり得るといえる。
ツアーの間によく聞いた言葉として「考えなさい」という言葉があり、私は今回の学びの要点であると考える。アウシュヴィッツ収容所が一つの歴史としてではなく、似たようなことが現在でも違う形で起こっていることについて気づき、考える機会を与えられたといえるだろう。
今後大学を卒業し、教育者になった時、社会を担う子供たちに私が教えるべきは教科書だけではない。常に自身のこと、生きている社会、国について考え、行動する力を育てることも重要であるということを学ぶ機会を得ることができた。
今回のツアーで学んだことを忘れずに、活かしていきたい。