2021年度 尚絅学院大学市民大学講座(第3回)が開催されました
2021/12/06
「尚絅学院大学市民大学講座」は本学の地域貢献事業の一つとして行っている、市民の皆さまに向けた教養講座です。
毎年、テーマ・内容を変更して実施し、今年度は4つのテーマで開講いたします。
12月4日(土)地域連携交流プラザ(イオンモール名取内)を会場に今年度第3回目が開催されました。
松本 真奈美先生(総合人間科学系 人文部門 教授)を講師として、「百人一首のひみつ」をテーマに行われました。
講座では、そもそもなぜ「百」なのか、女性歌人の比率が高い理由、恋の歌が多い等、『百人一首』の様々なひみつについて説明がありました。
また『百人一首』の原型は、藤原定家が京都小倉山にある宇都宮蓮生の山荘の、障子に貼る和歌の執筆を依頼され作成した
装飾としての和歌だったこと等を学びました(百人一首が『小倉百人一首』とも呼ばれる訳)。
競技として始まったのは江戸時代と言われており、明治37年(1904年)にはルールが全国的に統一され、第1回目となる大会が開催されました。しかし戦前、戦時中になるとこれまで競技で使用されていた小倉百人一首は軍部により禁止され、『愛国百人一首』が提唱され、その他にも源氏物語や細雪といった文学作品等も軍部により禁止されたという歴史について学びました。
近年注目されているものとして、現代人にも親しみやすい工夫がされた「五色百人一首」という5色20枚ずつに色別された百人一首も出ており、これを取り入れた学校ではクラスの連帯感が生まれたり、いじめが減った、という効果が出るなど、百人一首は現在も幅広い年代に親しまれているということが分かりました。
時代によって楽しみ方は変化していますが、『百人一首』が自由に楽しめるということは、日本が平和になった象徴と考えられる、
と最後に締めくくりました。
お正月は、身近な方と百人一首を楽しんでみてはいかがでしょうか。