飛散した放射性セシウムの離島環境での動態評価
関連するSDGs
- 研究
- 総合人間科学系 理工・自然部門
- 担当教員
- 齊藤 敬
- 対象地域
- 東京都伊豆大島・三宅島
- 連携団体
- 明治大学
- 研究時期
- 2012~継続
研究目標
伊豆大島、三宅島において、土壌・火成岩・生物試料等を採取し、事故由来の放射性セシウムを観測することでその動態を評価する。
研究概要
関東地方の各地でも東京電力株式会社福島第一原子力発電所(FDNPP)事故由来の放射性セシウム(134Cs(半減期:2年)及び 137Cs(半減期:30年))が検出されている現状で、実測レベルでの放射性セシウムの拡散状況の把握は社会的な関心事項である。今後、放射性セシウムの濃度は低下していくため、低線量地域での中長期的な変動追跡による汚染状況の把握と移行に関する情報の取得が必要になる。また、現在の放射性セシウムのモニタリングが「環境中における放射性物質の中長期的な変動追跡の重要性」「低濃度な汚染状況の把握の必要性」という項目に重きを置かれており、低線量地域での観測により得られる知見は多い。
そこで、低線量地域で離島という限定的な環境である、伊豆大島、三宅島を研究対象に選定した。これらの離島の放射性セシウム測定で、『放射性物質を含んだ気塊がどのように水平輸送され離島に至ったか』を高精度に知ることができる可能性がある。
研究成果及び今後の展開
伊豆大島の測定結果の一部を右図に示す。図のより、伊豆大島では放射性セシウムの濃度が、北東側で高く、南東で低い結果となった。また、三原山山頂付近においても比較的高い放射能が確認された。これは、放射性セシウムを含んだプルームが北東から伊豆大島に衝突−通過したことを示唆している。