教員紹介
小池 敏英 (こいけ としひで)
- 所属
- 教育部門
- 職位
- 特任教授
- 学位
- 教育学博士
- 担当科目
- 【学類】肢体不自由者の心理・生理・病理 知的障害者の心理・生理・病理 病弱者の心理・生理・病理 肢体不自由教育論Ⅰ
授業担当分野の概要(卒業研究を含む)
1) 特別支援学校や特別支援学級などにおいて、肢体不自由の実態に合わせて適切な学習上の配慮を実施することができるように、肢体不自由者の障害の医学的内容、心理的特徴、支援の基礎を習得する。
2) 特別支援学校や特別支援学級などにおいて、発達段階に合わせた教材の選択及び、学習上の配慮を実施することができるように、知的障害の医学的内容、心理的特徴、支援の基礎を習得する。
3) 特別支援学校や特別支援学級などにおいて、病気治療の実態に合わせたコミュニケーション支援と学習支援を実施することができるように、病弱者の医学的内容、心理的特徴、支援の基礎を習得する。
4) 肢体不自由教育における重度重複化の現代的課題に対する教育内容・教育方法の充実を目指した授業実践ついて学習する
5)特別支援学校や特別支援学級における教育支援の現代的課題について、調査研究を行い、結果の分析・考察を通して卒業研究としてまとめる。
研究分野と所属学会
【研究分野】発達障害学 特別支援教育学 発達心理学
【所属学会】日本特殊教育学会 日本LD学会 日本発達障害学会 日本心理学会 日本教育心理学会 日本発達心理学会 日本臨床神経生理学会
研究のキーワード
重症心身障害、知的障害、学習障害、読み障害、漢字書字困難、RTIモデル
接続可能な開発目標(SDGs)
現在の研究テーマ
1)重症心身障害児のコミュニケーション発達に関する評価と支援に関する研究
2)知的障害児の読み書き学習の評価と支援に関する研究
3)学習障害児・学習困難児における読み書きアセスメントと学習支援に関する研究
研究成果の概要
1)超重障児の療育は、医療的管理の制約が大きいため、教育が限られ、その効果は、ほとんど明らかにされていない。研究では、3年に渡って指導され、行動上の応答が微弱ながら認められるようになってきた、事例について、心拍指標により応答特徴を明らかにし、さらに、指導経過との関連を明らかにした。
2)重症心身障害児・者の中には,視覚的応答が極めて乏しいものがおり,教育指導を組み立てる上での困難が指摘された.そこで誘発電位の関係を検討し,視覚応答を可能にする認知機能を評価する上で,誘発成分の頭皮上分布が重要な情報をもたらすことを明らかにした。それに基づき,重症心身障害児・者の視覚認知機能の評価を行う上での視覚誘発電位の有効性を指摘した。
3)通常学級には漢字の読み書き障害を有するものと共に、読み書き困難を示す者がいる。研究では、読み書き障害と読み書き困難の背景要因について、読み書きの基礎スキルの調査研究に基づき検討を行った。平仮名単語の音読速度や言語性ワーキングメモリの低成績が、読み書き障害や読み書き困難の背景要因となっていることを明らかにした。
主な業績(研究実績・作品発表)
1) 西澤幸見・中知華穂・銘苅実土・赤塚めぐみ・小池敏英:(2019) LD児の漢字書字学習における保持促進に関する研究. LD研究, 28, 1, 72-85.
2) Mai Narita, Kazuha Sato, Chikako Naka, Mito Mekaru, Toshihide Koike(2019) Contribution of the incomplete use of macro-rules to the difficulty in reading comprehension in Japanese Fourth to Sixth graders. Journal of Special Education Research, 7,2, 57-67.
3) Chikako Naka, Mito Mekaru, Satomi Iyoaga, Harumitsu Murohashi, Toshihide Koike(2019)Causal factors for Kanji word-reading difficulty in second to sixth-graders of a Japanese elementally school. Journal of Special Education Research, 7,2, 101-113,
4) 小池敏英 ・中知華穂・銘苅実土・雲井未歓(2018)(監修)東京都教育庁指導部特別支援教育指導課(編集・発行)「読めた」「わかった」「できた」読み書きアセスメント~中学校版~活用&支援マニュアル編
5) 小池敏英・中知華穂(2017)LDの認知機能―英語圏と日本語圏の読み書き障害の認知的背景要因― 児童青年精神医学とその近接領域58(2);227-235.
6) 小池敏英 ・中知華穂・銘苅実土・雲井未歓(2017)(監修)東京都教育庁指導部特別支援教育指導課(編集・発行)「読めた」「わかった」「できた」読み書きアセスメント~小学校版~活用&支援マニュアル編瀧元沙祈・中知華穂・銘苅実土・後藤隆章・雲井未歓・小池敏英(2016) 学習障害児における改行ひらがな単語の音読特徴-音読の時間的側面と誤反応の分析に基づく検討. 特殊教育学研究, 54(2), 65-75.
7) 小池敏英 (2016) LDの子の読み書き支援がわかる本 講談社
8) Takaaki Goto, Yousuke Kita, Kota Suzuki, Toshihide Koike and Masumi Inagaki (2015) Lateralized frontal activity for Japanese phonological processing during child development. Frontiers in Human Neuroscience (www.frontiersin.org), 9, 1-9.
9) 銘苅実土・中知華穂・後藤隆章・赤塚めぐみ・大関浩仁・ 小池敏英(2015) 中学生における英単語の綴り習得困難のリスク要因に関する研究.特殊教育学研究.53,15-24.
小池敏英・三室秀雄・神山寛・佐藤正一・雲井未歓 (2014) (編著)障害の重い子供のコミュニケーション指導 ジアース教育新社 (2014年11月)
10) 熊澤綾・中知華穂・大関浩仁・小池敏英 (2013) 読み書きの基礎スキルの促進に基づく漢字支援ワークブックの効果について 学校教育学研究論集.28, 31-44
11) 小池敏英 (2013) 教育の立場からのアプローチ 特集 発達障害へのアプローチ.Monthly Book Medical Rehabilitation.155,75-80.全日本病院出版会
12) 吉田有里・小池敏英・雲井未歓 他(2012)国語学習の低成績の生起に及ぼすひらがな音読困難の影響について LD研究,21,1,116-124. (2012年3月)
13) 小池敏英 (2012) 第4章 読み書き・算数の学習困難と臨床発達的支援 本郷一夫(編)認知発達のアンバランスの発見とその支援 シリーズ 第3巻 子どもへの発達支援のエッセンス 金子書房 89-117. (2012年3月)
14) 小池敏英 (2011) (監修) 第2章 指導内容方法 第3章 環境の把握を中心とする指導内容・方法 (編著) 全国特別支援学校肢体不自由教育会 障害の重い子どもの指導 Q & A 自立活動を主とする教育課程. P93-107.
15) 小池敏英・雲井未歓・吉田友紀 (2011) (編著)肢体不自由特別支援学校における重度・重複障害児のコミュニケーション学習の実態把握と学習支援.-学習把握表の活用に基づく一貫した学習支援- ジアース教育新社.(2011年8月)
16) 小池敏英 (2010) Ⅰ章 特異的読字障害G 治療的介入 3東京学芸大学方式.(編集代表)稲垣真澄 特異的発達障害 診断治療のためのガイドライン-わかりやすい診断手順と支援の実際- 診断と治療社 55-59.
17) 小池敏英 (監修) (2010) 読解力を育む発達支援教材 学研みらい社
18) 小池敏英 (2010) 読字・書字障害の評価と支援.児童青年精神医学とその近接領域51(3),290-295
主な地域・社会貢献活動
日本特殊教育学会常任理事・日本特殊教育学研究編集委員長(2015~2019)
主な学内活動
情報システムセンター長(2019)
その他
【出身地】神奈川県
【趣味】読書