教員紹介
小野 真実 (おの まさみ)
- 所属
- 健康栄養部門
- 職位
- 教授
- 学位
- 博士(医学)
- 担当科目
- 栄養教育論Ⅰ・Ⅱ、栄養教育論実習Ⅰ、応用栄養学実習、管理栄養士活動論、卒業研究基礎演習、卒業研究、基盤演習
授業担当分野の概要(卒業研究を含む)
1)栄養教育に活用される理論的基礎(栄養教育に必要な行動科学の理論・モデル・概念等、組織・地域・食環境づくりへの展開手法等)、および学習者のQOL向上と健康・栄養状態の改善を目的とする栄養教育マネジメント(アセスメント、課題抽出、目標設定、計画立案、実施、評価、改善)に関する講義
2)栄養カウンセリングの手法、およびライフステージ別の各特性と健康・栄養課題を踏まえた、多様な場(セッティング)における栄養教育の展開に関する講義
3)学習者のQOL向上と健康・栄養状態の改善を目的とする栄養教育マネジメントの実践と、個人・集団・組織に対する行動変容の支援において必要な技術を習得する実習
4)各ライフステージ特性に応じた適切な栄養管理の考え方を理解し、栄養アセスメントに基づく栄養ケアプランの立案と実施に求められる技術を、特に栄養補給における一連の流れ(食事摂取基準・給与栄養目標量・食品構成表の活用による献立作成、調理実習・試食による評価等)の実践を通して習得する実習
5)対象特性に応じた望ましい食態度の形成や健康保持増進・生活習慣病予防対策などを目標とする栄養教育分野(栄養・食教育、栄養カウンセリング、ヘルスプロモーション、およびそれらの効果的な手法など)に関する研究(卒業研究)
研究分野と所属学会
【研究分野】生活科学(食生活学),社会医学(公衆衛生学・健康科学)
【所属学会】 日本栄養改善学会、日本健康教育学会、日本産業衛生学会、日本公衆衛生学会、体力・栄養・免疫学会
研究のキーワード
1)健康・栄養教育
2)栄養カウンセリング
3)栄養疫学
4)産業保健
5)食環境
6)ヘルスプロモーション
接続可能な開発目標(SDGs)
現在の研究テーマ
1)特定保健指導等における効果的な栄養カウンセリング
2)生活習慣(主に食生活)と各種生活習慣関連疾患(NCDs)に関する社会医学的研究
研究成果の概要
1)生活習慣病予防を目的に開発したICTツール(生活習慣改善支援システム)を初期栄養教育のフォローツールとして活用した.対象者には初回面談時,行動変容ステージに応じた関りとともに,自身で最終目的を含む目標の明確化を行ってもらった.その後本ツールを用いて食事・運動・生活情報のセルフモニタリングなど行動変容技法を始めとする行動科学的・カウンセリング的アプローチを継続し,最終目標達成へと支援した(支援後の長期にわたり効果は維持).また,本ツールを職場(組織)単位での年間ヘルスプロモーション計画ツールとしても用いたところ,集団の健康度として参加前後で比較した生活習慣病関連血液データ等が改善するなど成果がみられた.
2)幼少期に発症したⅠ型糖尿病患児が,成長に伴い家族による「自己管理行動」から,自身の望ましい態度形成および「好ましい自己管理行動」に適切に移行するには,家族が患児とともに正しい知識を習得することや、治療に対する熱心な態度をとることが影響要因と考えられ,患児・家族双方に対する患者教育は極めて重要であるとともに,家族を始めとした周囲からのソーシャルサポートの重要性も示唆された.
3)加齢や心疾患などの生活習慣病発症と密接に関連する動脈硬化リスクは,閉経前・非肥満女性においても,早期に十分な食物繊維摂取量など望ましい食習慣を確立することによって改善効果があり,動脈硬化性疾患の予防に有効である可能性が示唆された。
主な業績(研究実績・作品発表)
<論文>
1)小野真実,由田克士.令和元年度厚生労働科学研究費補助金 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究事業「循環器疾患・糖尿病等生活習慣病を予防するための情報通信技術を活用した保健指導プログラム及びその実践のための手引きの作成と検証」令和元年度総括・分担報告書:食生活改善指導者研修テキスト:Ⅲ栄養指導:2 栄養・食生活の今日的課題,4 ライフステージ・ライフスタイル別栄養教育.97-115,127-135:2020
2)小野真実,他.女性における食物繊維摂取量と動脈硬化リスクの関係-地域の一般女性における閉経前後および非肥満・肥満の層別化検討(横断研究)-:体力・栄養・免疫学雑誌.2017;27(1):25-34
3)徳田糸代,他.一般住民におけるりんご摂取と動脈硬化リスクの関連:体力・栄養・免疫学雑誌.2015;25(1):59-66
4)R.Tanikawa,et al. Relationship between exhaled hydrogen and human neutrophil function in the Japanese general population:Hirosaki Medical Journal.2014;65 (2):138-146
5)及川孝光,小野真実.職域における栄養・食生活の課題と実践的栄養指導のポイント:栄養学と産業保健の接点とこれからの課題:臨床栄養.2014;124(4):480-488
6)秋元直樹,小野 真実,他.動物性たんぱく質の摂取状況と腎機能との関連:体力・栄養・免疫学雑誌.2013;23(3):190-192
7)小野真実.平成19年度厚生労働科学研究「特定保健指導の実践的指導実施者育成プログラムの開発に関する研究」報告書:食生活改善指導担当者研修テキスト:Ⅲ栄養指導:2 栄養・食生活の今日的課題,4 ライフステージ・ライフスタイル別栄養教育.96-108,125-132:2008
8)小野真実,田村静夫.通信機器を用いた生活習慣改善支援システム(通信 カロリーメータ)のソフト開発に関する研究:逓信医学.2001;53(6):15-21
9)小野真実.働く人への栄養指導の実際ー企業における健康管理の場から-:保健の科学.2000;42(9):739-744
10)M. Ono,et al.Analysis of nutritional studies in occupational settings conducted by nutrition specialists in Japan.1st Asia Pacific Conference on Occupational Health and Safety Technical Papers.234-236:1995
11)小野真実.小児糖尿病(インスリン依存型糖尿病)患児・家族の自己管理行動に関する研究:女子栄養大学紀要.1990;21:225-246
<著書・著作物>
1)中村丁次,他編.管理栄養士講座「栄養教育論 第3版」:第5章 事例から学ぶ栄養教育の理論と実際「6.事業場(職場)における栄養教育」.p.218-227.建帛社.2020
2)笠原賀子,斎藤トシ子編.栄養科学シリーズNEXT「栄養教育論 第4版」:第6章 ライフステージ,ライフスタイル別栄養教育の展開「6.3成人期の栄養教育」.p.146-153.関連資料掲載.p.180-181,194.講談社サイエンティフィク.2018
3)大久保利晃(代表編者).産業保健活動事典:第4章 健康管理:9.栄養指導:「社員食堂における健康づくりアプローチ」,「食生活改善指導ツール」,「食事バランスガイドの活用ポイント」,「単身者への食生活アドバイス」.p.564-571.2011
4)中村丁次,他編.管理栄養士講座「栄養教育論Ⅱ」:第4章 事例から学ぶ栄養教育の理論と実際「事業場(職場)における労働者の健康づくり」.p.156-162.「事業場(職場)における栄養教育」.p.163-170.建帛社.2009
5)中央労働災害防止協会編.産業栄養指導専門研修テキスト:第4章 研究討議「第1節 産業栄養指導担当者の活動の実際」.p.113-118.中央労働災害防止協会.2008
6)中村丁次,他編.管理栄養士技術ガイド:第2部 栄養教育に関する技術「1.栄養カウンセリングの基本技術(ケースで学ぶ栄養カウンセリング)-事業所における栄養カウンセリング例-」.p.98-101.:第8部 (職域別)管理栄養士に求められる栄養管理技術論「6.企業」.p.656-657.文光堂.2008
7)吉池信男,他編.からだの科学増刊「これからの管理栄養士」:第Ⅱ部 管理栄養士の専門性と活躍の場「健康管理(特定健診・保健指導・産業保健)」.p.56-61.日本評論社.2008
8)笠原賀子,川野因編.栄養科学シリーズNEXT「栄養教育論」:実践編1.指針などを普及するための栄養教育「5.職場における健診・事後指導とあわせた特定健診・特定保健指導の実施」.p.156-157,176.講談社サイエンティフィク.2007
9)吉池信男監修.平成14年度健康・体力づくり視聴覚教材製作事業「栄養・食生活の改善で生活習慣病を予防しよう!」(CD-ROM教材):2.健康的な食事とは~「主食・主菜、副菜」で賢く食べよう~.財団法人健康体力づくり事業財団・株式会社自己啓発協会.200
受賞
1)令和3年度東北生活文化大学・東北生活文化大学短期大学部教育改革推進研究奨励賞受賞「~Teaching Salt Balance (TSB)~“地域への減塩教育プロジェクト”を通じた学生教育」研究分担者(2021.5.)
2)平成19年度厚生労働科学研究「特定保健指導の実践的指導実施者育成プログラムの開発に関する研究(主任研究者 河野啓子)」研究協力者(2007.10.~2008.3.)
3)平成13年度逓信医学協会優秀論文発表者賞受賞 論文題目「通信機器を用いた生活習慣改善支援システム(通信カロリーメータ)のソフト開発に関する研究」(2002.10.)
主な地域・社会貢献活動
【地域・社会貢献活動等】
1)宮城県七ヶ浜町教育委員会生涯学習課 令和4年度事業「趣味・教養の講座~学びの講座~」にて「“人生100年”時代のヘルシー・食・マネジメント」と題した講話を担当(2022.9.)
2)国立大学法人弘前大学教養教育事業「グローバル社会・経済-グローカル市民になるためのハワイに学ぶ地域社会-」において“Check your healthy eating!”と題し,国際的に注目される日本の長寿をかなえる食生活の特徴や栄養施策の概要,および学生自身の食生活チェック等を内容とした講話を担当(2019.10.)
3)埼玉県私立浦和学院高等学校文化祭において,「『やがて大人になる君たちへ』の食生活講座」をテーマに講話を担当(2011.10.)
【研修講師等】
1)弘前市・弘前大学大学院医学研究科社会医学講座連携事業「ひろさき健幸増進リーダー養成講座」において,「生活習慣病と栄養」をテーマに研修講師を担当(2013.10.)
2)平成19年度厚生労働科学研究「特定保健指導の実践的指導実施者育成プログラムの開発に関する研究」研究協力者として,東京,大阪,神戸,札幌など全国で開催された「特定保健指導専門研修(食生活改善指導担当者研修)」(平成20年1月17日付「厚生労働省告示第10号」)にて,研修テキスト執筆分(2コマ)の講師を担当(2008.2.~2011.11)
*依頼元団体(開催時期)
①公益社団法人 全日本病院協会(2008年2・3・7・12月,2009年2月)
②公益社団法人 人間ドック学会(2008年4・5・10月,2009年11月,2010年11月,2011年11月)
③シダックス株式会社(2008年6月)
④一般社団法人 日本家族計画協会(2008年8月)
3)社団法人 全国労働衛生団体連合会(全衛連)主催「特定保健指導実践者育成研修会」(於:東京,大阪) にて全衛連加入健診機関所属スタッフ(医師,保健師,管理栄養士等100名)を対象に各2日間,計4日間の研修講師を担当(2007.7~8.)
4)社団法人 日本栄養士会主催「生活習慣病予防のための標準的な健診・保健指導実践研修(東日本)」(於:神奈川)にて,都道府県栄養士会長が派遣した(その後の全国各地での研修運営リーダーとなる)管理栄養士200名を対象に,「カウンセリング演習」講師を2日間担当(2007.3.)
5)平成18年度東京都栄養士会産業部会第1回研修会(於:東京)にて,講義「職場における栄養教育活動の実際」と実習「職場における栄養教育活動上の問題点や課題、及びその対策について(事例研究・意見交換)」を担当(2006.11.)
6)第63回埼玉県産業保健看護研究会(於:浦和)「メタボリックシンドロームの予防と対策(1日研修))」にて午前の部「予防の食事・食生活」の講師を担当(2006.9.)
7)財団法人 地方公務員安全衛生推進協会主催(中央労働災害防止協会協力)「平成15年度心とからだの健康づくりセミナー(2日間)」(於:東京) にて,全国から参加した地方公務員を対象に「食生活と健康」科目の講師を担当(2004.1.)
8)厚生労働省「事業場における労働者の健康保持増進のための指針」に基づく中央労働災害防止協会主催「心とからだの健康づくり(THP)」指導者養成専門研修(於:東京)「産業栄養指導担当者」(3日間)にて,「産業栄養指導担当者の活動の実際(事例研究・意見交換)」の演習・講義(最終日半日)を担当(年1~2回,2003.7.~2013.3.)
9)東京都特別区職員(栄養士)対象の「平成12年度特別区職員専門共同研修(栄養士)(於:東京)」(4日間)にて,「生活習慣病への栄養指導その3『働く人への栄養指導の実際-企業における食生活改善指導と栄養士の役割-』」をテーマに講義(最終日半日)を担当(2001.2.)
【委員等】
1)医歯薬出版株式会社発行月刊雑誌「臨床栄養」編集委員(2012.4.~2014.3.)
2)財団法人 労働衛生会館事業「産業保健活動事典(代表編者:(公財)放射線影響研究所理事長 大久保利晃)」編集委員会(健康管理部会)委員(2008.4.~2011.3.)
3)公益社団法人 日本栄養士会栄養ケアステーション事業ワーキンググループメンバー(2007.9.~2008.3.)
4)メタボリックシンドローム撲滅委員会(委員長:(財)住友病院院長 松澤祐次氏)・実行委員会(リーダー:結核予防会 新山手病院生活習慣病センター長 宮崎滋氏)委員(2007.9~2017.3.)
5)公益社団法人 日本栄養士会発行月刊雑誌「日本栄養士会雑誌」編集委員(2006.7~2010.6.)
6)関東産業健康管理研究会幹事(2005.10.~現在に至る)
7)財団法人健康・体力づくり事業財団 平成14年度健康・体力づくり視聴覚教材(CD-ROM)制作事業「栄養・食生活の改善で生活習慣病を予防しよう!」制作委員(2002.7.~2003.2.)
【シンポジスト等】
1)第18回日本産業衛生学会産業医・産業看護全国協議会(於:松山)「フォーラム2 産業保健活動における栄養・食生活指導の現状と課題」において,「職域における管理栄養士の活動について」をテーマにシンポジストを担当(2008.11.)
2)第234回関東産業健康管理研究会「職域と肥満」(於:東京)においてパネリストを担当(2005.7.)
3)第207回日本産業衛生学会関東地方会例会(於:東京)シンポジウム「職域における生活習慣病の新しいアプローチ」において,「『通信カロリーメータ』を用いた栄養指導の新たな取り組み」をテーマにシンポジストを担当(1999.12.)
4)女子栄養大学大学院設立30周年記念シンポジウム「21世紀の栄養学の研究・実践を考える―女子栄養大学大学院の役割と期待―」(於:坂戸)において,「実践現場の栄養士の立場から」をテーマにシンポジストを担当(1999.9.)
5)第7回日本健康教育学会(於:坂戸)ワークショップ「健康教育とニューメディア」において,「生活習慣チェック用『通信カロリーメータ』の開発と実用化に関する研究」をテーマにパネリストを担当(1998.6.)
【その他】
1)株式会社インターメディカル「管理栄養士国家試験全国統一模擬試験(かんもし)」の「栄養教育論分野」問題作成協力(2011)
2)読売新聞記事(医療ルネサンス第2261回)「健康生活学③食生活改善・企業が応援」取材協力(2000.1.6.付)
主な学内活動
進路就職部委員会(2023~)