尚絅学院大学

教員紹介

加藤 道代 (かとう みちよ)

加藤 道代

所属
心理部門 
職位
特任教授 
学位
博士(教育学) 
担当科目
臨床心理学基礎実習、家族心理学特論  

授業担当分野の概要(卒業研究を含む)

1)カウンセリングの基礎と展開
2)ロールプレイとディスカッション
3)家族の構造、機能、発達
4)家族と臨床的諸問題                                             
5)家族、組織、コミュニティへのシステム介入

研究分野と所属学会

【研究分野】生涯発達心理学 臨床心理学

【所属学会】日本心理学会、日本発達心理学会、日本小児保健学会、日本心理臨床学会、東北心理学会

研究のキーワード

成人期の発達、ライフ・キャリア、家族関係・親子関係、移行期、発達支援、子育て

接続可能な開発目標(SDGs)

  • 3.すべての人に健康と福祉を
  • 4.質の高い教育をみんなに
  • 5.ジェンダー平等を実現しよう
  • 17.パートナーシップで目標を達成しよう

現在の研究テーマ

1)親の発達
2) コペアレンティング(coparenting)
3) 子育て支援

研究成果の概要

1) 母親は父親の育児に対して支持,激励を中心とした“促進”と,拒否,非難を中心とした“批判”を行っており、父親の育児を促進する支持的な働きかけが高いほど,父親の育児関与,育児協働感,夫婦関係満足感は高く,母親から父親への批判が高いほど,育児協働感および夫婦関係満足感は低いことが示された(2014)。

2)親にとって子育ては他にかえがたい喜びである一方で,子ども対応は制約や負担にもなる。しかし,夫婦調査からは,子育てによる制約感は必ずしもネガティブなだけではなく,親としての発達意識を高さに関連すること、片方の親の発達意識の高さは,パートナーの発達意識の高さに関連することが確認された(2018)。

3)思春期の子育てにおける父親に向けた母親の”促進”は、父親が理解しやすく夫婦一致したペアレンティングにつながる。一方、”批判”は、実際は父親の見ていない場面で母親が父子関係の仲介や仲裁を行っているにもかかわらず、母親の真意が父親に十分には伝わっていない可能性があることが示唆された(2019、2020)。

主な業績(研究実績・作品発表)

<主要論文>
1)加藤道代・黒澤泰・神谷哲司(2014).夫婦ペアレンティング調整尺度作成と子育て時期による変化の横断的検討. 心理学研究,84(6),566-575.
2)加藤道代・神谷哲司・黒澤泰(2015).乳幼児期から青年期後期の子育て期における親としての発達意識. 東北大学大学院教育学研究科研究年報 64(1),59-72.
3)加藤道代・神谷哲司(2016).夫婦ペアデータによる親としての発達意識の検討.東北大学大学院教育学研究科研究年報 64(2)55-68.
4)加藤道代・神谷哲司(2017).幼児期から青年期における子どもの外在化問題行動と夫婦ペアレンティングの関連. 小児保健研究 76(6),637-643.
5)加藤道代・神谷哲司(2018).夫婦ペアレンティングの追跡研究-夫婦ペアデータによるAPIM分析からー. 東北大学大学院教育学研究科研究年報,67(1),145-153.
6)加藤道代・一條玲香(2019).東日本大震災後の電話相談における相談員の対応-東北大学大学院教育学研究科震災子ども支援室における6年間の相談記録分析-. 東北大学大学院教育学研究科年報,67(2),77-39.
7)加藤道代・神谷哲司(2019).思春期の子どもをもつ母親の夫婦ペアレンティング調整-父親の語りから―. 東北大学大学院教育学研究科年報,68(1),121-142.    
8)加藤道代・神谷哲司(2020).思春期の子どもをもつ母親の夫婦ペアレンティング調整-母親の語りから―. 東北大学大学院教育学研究科年報,68(2),105-127.   
9)Bao Jing & Michiyo Kato(2020).Determinants of Maternal Emotion Socialization: Based on Belsky’s Process of Parenting Model. Frontiers in Psychology/Developmental Psychology, doi:10.3389.  
10)鮑婧・加藤道代(2020).日本版怒りのメタ情動観念尺度の作成および信頼性・妥当性の検討. 心理学研究,91(3),165-172.
11)加藤道代・神谷哲司(2020).幼児期の子どもをもつ母親の夫婦ペアレンティング調整-父親の語りから―. 東北大学大学院教育学研究科年報,69(1),55-78.
12)加藤道代(2021).発達支援における「日常の文脈」に関する再考. 発達支援学研究,1(2),28-38.(依頼論文)
13)加藤道代・神谷哲司(2021).幼児期の子どもをもつ母親の夫婦ペアレンティング調整-母親の語りから―. 東北大学大学院教育学研究科年報,69(2),印刷中.

<著書>
1)加藤道代(2019).家族システムと家族発達. 本郷一夫・神谷哲司編著『家族家庭支援の心理学』,第4章, 37-48. 東京:健帛社.
2)加藤道代(2020).強いストレスにさらされた子どもたち, 第4章-6, 190-193. 親も子どもと共に育つ. 第5章-3, 230-233. 母親の育児不安・ストレス, 第5章-4, 234-237. 子どもを預けるっていけないこと? 第5章-4, 238-240. 沼山博・三浦主博 編著『新訂 子どもとかかわる人のための心理学-保育の心理学,子ども家庭支援の心理学,子どもの理解と援助への扉-』,東京:萌文書林.
3)加藤道代・一條玲香(2021).『東日本大震災後の子ども支援―震災子ども支援室(“S-チル”)の10年』, 仙台:東北大学出版会.

主な地域・社会貢献活動

1)富谷市心理相談員(発達査定,発達相談,心理カウンセリング,保健師保育士等スーパーバイザー、要保護児童対策協議会実務者会議スーパーバイザー、児童等虐待防止連絡協議会未就学要支援児童・特定妊婦部会スーパーバイザー) 
2)仙台市保育専門技術向上支援事業スーパーバイザー
3)子ども虐待予防センター仙台 スーパーバイザー  ほか