チャレンジポートフォリオ実践講座 「当事者とつながる学びとスキル〜3月11日に向けて記事を書こう」報告2023
2024/03/05
「3月11日に向けて記事を書こう」を副題にしたチャレンジポートフォリオ「実践講座 当事者とつながる学びとスキル」は、3年目の開講となった今期も受講生が、東日本大震災の地元の被災地・名取市閖上の当事者を取材するなどの授業で、8人が記事を執筆しました。
被災後間もなく13年となる閖上から震災と向き合い、「復興」の意味を考え、問いかける、その成果の記事をご紹介します。
客員教授、ローカルジャーナリスト 寺島英弥
この実践講座は、被災地の大学生として自らも伝承者になれる取材の方法と文章のスキルを身に付け、15回の授業を通して記事づくりに取り組みます。
震災で閖上で起きたことを調べ、取材の基本としてインタビューの方法を学び、閖上支援に携わってきた本学の職員の体験を聴き、10月に閖上を訪ねました。
被災者で閖上中央町内会長の長沼俊幸さんら、住民5人の協力をいただいて震災体験と現在を取材。
長沼さんとは、その後も3回にわたり教室に招いて、さらに深掘りした取材、受講生が考えたテーマをめぐる議論と助言など、交流を深めました。
閖上集会所で住民の方々をインタビュー=10月21日
実践講座の後半は、絞り込んだテーマからの見出しの抽出、それを具体化し展開を考えるコンテ(起承転結の構成)づくり、
読み手へのプレゼンであるリード文づくりなどの方法を学び、実習を重ねて冬休み、原稿を執筆してもらいました。
元河北新報記者である寺島が経験した、新人記者教育のプロセスです。
冬休み明けに初稿を提出してもらった後も、受講生のプレゼン、寺島が提案した添削・修正案をもとに受講生が最後の追い込みで完成稿を書き上げ、最終授業で講評となりました。
受講生の記事は、八人八色の視点、テーマ、取材、文章で、閖上発の新たな証言記録、問題提起、自らの震災体験発掘など、
被災地からの貴重な発信となり、自らが伝承者の仲間入りをしました。震災は過去のものでなく、13年を経た現在も終わりなく、復興の意味も問われ続けなくてはならない、と強く感じさせた内容です。
どうぞ、これらの労作をお読みください。
そして、今年秋に開講する実践講座4年目の新たな章にご参加ください。お待ちしています。
長沼さんを教室に招き、受講生たちが記事の構想について質疑