産学連携授業 人文社会学類「デザイン思考論」企業から学ぶ
2020/02/07
「デザイン思考論」人文社会学類1年科目(玉田真紀:芸術・スポーツ部門)の授業紹介。
食品軽包装資材の専門商社、株式会社高速の長谷川信行氏(社長室経営企画課)に、現場の実例についてお話して頂き、レポート「パッケージの多面的考察と提案」の作成に取組みました。
産学連携授業で専門商社の現場を知る
㈱ 高速 長谷川氏(社長室経営企画課)の講義
「デザイン思考論」では、「デザインとは何か」を多領域のデザイン(グラフィック、プロダクト、工芸、ファッション、コミュニティなど)を通して考え、課題解決の企画提案力をどう身につけるかを学びます。授業15回目に、産業界での実例を話して頂きました。
高速の長谷川さんより、『包装容器(パッケージ)』は、社会でどのような役割を持つか。「未来を包む包装コンサルタント」専門商社として、様々な社会の課題解決に向けてどのような取組みをしているのか。1年生にも分かりやすく、お話して頂きました。おいしい東北パッケージデザイン展で入賞した数々の実例も、手にとって見る事ができました。(下記、内容項目参照)
【講義内容】
1、食品軽包装資材専門商社について
(1)店舗・食品加工業(ユーザー)と包装資材メーカー(仕入先)をつなぐ機能
(2)ディーラーの商品調達力・商品開発力・営業提案力
(取扱品目14万種類以上、仕入先1600社、在庫品目6万点以上という規模)
(3)食品軽包装資材の社会的役割
①食の流通を支える
②買い物の楽しさやおいしさを伝える
③食の安心・安全に貢献する
④環境問題への貢献
2、今後の就職活動に役立つ話
3、デザイン提案事例の紹介
学生の感想紹介
「デザイン思考論」産学連携授業
【科目担当教員 玉田真紀】
長谷川さんのお話には、「デザイン思考論」で学んできた視点、ハードウエア(物)とソフトウエア(仕組みや使い方)のデザイン、デザインはチームで行う行為、ユーザビリティやメッセージ性の重要性、環境配慮型やユニバーサルデザインの視点、ブランディングデザインの考え方など、全ての視点が含まれていました。とても貴重なお話でした。最後に、学生一人ずつに発言してもらいました。互いの気づきの違いが見えて、面白かったです。
【学生の感想 ミニッツより】
▶ 4つの社会的役割の中で「買い物の楽しさやおいしさを演出する」とても印象に残りました。肉や魚のトレーを見て、デザインがいかに大切な要素なのかが分かりました。また、しくみのデザイン、価値のデザインなどにもクリエイティブな思考が必要なのだと思いました。最後の就職に関するお話もとても参考になりました。
▶ 自分は普段は買い手側として商品を見ていましたが、高速さんのような商社がいることで、その商品をより一層輝かせるデザインをしているのだと分かりました。
▶ この授業を受ける前までは、デザインは才能がある人がやることだと思っていたが、今回の高速さんの話にもあったように、デザインはチームでやると知って、才能よりも協力が必要なのだと思いました。今回の授業が将来に向けて、とても良い刺激になり頑張ろうと思いました。
▶ パッケージが、演出面、環境面、安全面など様々な視点からデザインされていることを知り、何事もただ1つの視点で見るのではなく、多様な視点で見る事が求められていると思いました。デザインだけでなく、働き方についても学ぶことができ、本当にありがとうございました。
▶ メーカーが作った商品をスーパーなどに届けるために間をつなぐ存在があり、その存在が双方にとって、どれだけ大切かを知る事ができました。
▶ 環境問題についても考え、プラスチックを回収する事など販売後の先のことも見据えた広い視野を持っていたり、また地元の方とメーカーとのつながりを考えていたりと、色々な視点からアイデアを出していて、面白く、すごいなと感動しました。