大学コンソーシアムひょうご神戸
2011年より夏に名取市内の仮設住宅や復興公営住宅等で合同活動や学習会を実施。「神戸訪問プログラム」では兵庫県において阪神・淡路大震災について共に学ぶなど、通年で交流事業を展開。
大学コンソーシアムひょうご神戸
学生交流委員会 委員長代理
神戸親和女子大学 地域連携センター長
教授 大島 剛
大学コンソーシアムひょうご神戸は、兵庫県にある会員38校の大学連携組織です。2011年東日本大震災の夏より毎年ボランティアバスを仕立てて宮城県に訪れています。もう発災から10年になっても、ずっとつながってきたことにひとしおの感慨があります。最初は誰しも東北に馳せ参ずる思いで動き、尚絅学院大学の導きで私たちも愛島東部仮設住宅にお邪魔して、熱い心だけはお伝えしてきました。
ただ時が経ち、災害ボランティアの数は減っていく中、でも私たちはここまで続けてきました…、それは阪神・淡路大震災があったからです。当時お世話になった恩返しでしょうか。まだ震災時に生まれていなかった学生からすれば、それも違うようです。当初「夏休み学生ボランティア事業」といっていたものが、「学生災害ボランティア・ネットワーク事業」に名称を変更し、尚絅学院大学の学生と共に学びと交流を深める企画が充実してきました。交流が深化し、学生たちがもっと災害を、復興を、被災された方々の日常生活を理解するものに発展してきました。時の変化の中、続けることでボランティアに対しても新しいものが生み出されているようです。
TASKIが大切にしている3つの「つ」:「つなげる」「つたえる」「つづける」があります。実はいつの頃か私たちの学生がモットーとしてこの3つの「つ」を使うようになりました。真似をさせていただいたのだろうと思い、新しく入る学生にはTASKIがオリジナルだよとお話ししていました。しかし、よくよく考えるとTASKIは「つなげる」、私たちは「つながる」なのです。TASKIがつなげようとしていたところに私たちがつながったのです。そして後の2つの「つ」は一緒です。被災された方々、被災地に対する思いは同じと考えていいと思います。
震災の被災地同士がつながり合うこと、震災を経験していない学生でもできるということ、これを私は勝手に被災地仲間と呼んでいます。これから尚絅学院大学でも東日本大震災の時に生まれていない学生が入ってくる時が来ます。その時でも被災地仲間の関係が続いていけると嬉しいなと感じます。残念ながら今年度はコロナ禍という災害で今までのような活動ができなかったことは歯がゆい思いをしております。それでも大変お世話になったこと、ご一緒できたこと本当に感謝しております。これからもよろしくお願いします。
大学コンソーシアムひょうご神戸
2019年度学生災害ボランティア・ネットワーク事業
学生スタッフリーダー
中野 亜耶(2020年3月 甲南大学卒業)
忘れない〜東日本大地震から10年、私たちにできること〜
震災から6年後の2017年、学生ボランティアとして初めて宮城を訪れました。道には多数の工事車両、やっと建ち始めた公営住宅。「まだこんな状況なの?」当時抱いた思いです。
仮設住宅で住民さんから様々なお話を伺いました。津波のこと、避難所生活のこと、辛かったこと、それでも生きてきたこと。強く、逞しい姿に感銘を受けました。6年経っても復興途上だったことも、震災当時のことも皆さんの想いも、現地に行って初めて知りました。
この出来事はいつか風化する。ある方が仰っていました。絶対に忘れまい。そう思ったことを覚えています。神戸の学生として、感じたことを多くの人に伝え、私自身も被災地との繋がりを絶やしたくないと思いました。
震災から10年。もし、あの時宮城を訪れていなければ、私は震災のことを忘れていたかもしれません。しかし、今こうして想いを巡らせることができるのは、宮城を訪れ、感じた想いが心の中に生きているからです。忘れないこと、想い続けること、そして語り継ぐことこそが復興支援の第一歩であり、大きな力になることを信じています。最後になりましたが、私たちをサポートし、ともに活動してくださいましたTASKIの皆さん、あの時出逢えた宮城の皆さん、本当に感謝しています。宮城と神戸の絆がこれからも続きますように。