SDGs達成に向けて、高校生ができることとは

1.はじめに

私は総合学科の高校に通っています。総合学科では、卒業年次で自分が設定したテーマに取り組む「課題研究」の授業があり、私はその授業の「地域探究」という講座に属しています。この講座は、自分の住むまちや学校がある地域の課題を自ら発見し、研究課題として設定することによって、主体的に取り組み、課題を解決する力を身に付けることや、その過程において、情報収集力や仮設をたてる力、分析力、協働する力を高め、最後に整理・まとめを通してプレゼンテーション能力を育成することを目標としています。

2.調査/研究の動機

私は、課題研究の授業で初めてSDGsについて知りました。その時は、「こんなに壮大な目標をあと数年で達成するなんて絶対に無理。ましてや、高校生の私達にできることは何もないのではないか。」と考えました。しかし、SDGsについて深く調べていくうちに、インドネシアのバリ島で10歳と12歳の少女が「レジ袋をやめよう」という取り組みをして、成功したということを知り、「私達にもできることがあるかもしれない。」という考えに変わりました。そのことから、「いわき市はSDGsに関して何か取り組んでいるのか?」「いわき市の地域課題は何か?高校生ができることはないのか?」という疑問を持ちました。このことを追求するために「SDGs達成に向けて、高校生ができることとは」を研究テーマに設定しました。

3.調査/研究目的・調査/研究方法

目的

私のように「SDGsは壮大で子供の力では達成できない。」と思っている人に、私達にもできることがあるということに気づいてもらい、そのことを発信することで世界中の若者にSDGsに関心を持ってもらうこと。

研究方法

  • 身近なSDGsは何かを調べる
  • いわき市のどの海岸にプラスチックゴミが落ちているのかの調査
  • 海岸に落ちているプラスチックゴミはどのようなものかの調査。また、そのゴミの再利用方法
  • いわき市がSDGsについてどんな取り組みをしているのかを調べる
  • いわき市でSDGsについて取り組んでいる企業への企業見学

4.これまでの調査/研究

調査

○身近なSDGsは何か?

身近にあるSDGsは、いわき市の地域課題である「海にプラスチックゴミが落ちている」の解決です。このことが地域課題だと思ったきっかけは、修学旅行で行った沖縄県の海と比べると落ちているプラスチックゴミの量がいわき市の海の方が多いことに気づいたからです。

○いわきのどの海岸にプラスチックゴミが落ちているのか?
  • いわきサンマリーナ→プラスチックゴミは落ちていなかった。
  • 三崎公園 潮見台→プラスチックゴミは落ちていなかった
  • 薄磯海岸→ペットボトルのゴミが落ちていた。

ここから気づくこと

いわきサンマリーナ、潮見台は観光スポットになっています。一方、薄磯海岸に訪れるのは主に地元の人達です。このことと、プラスチックゴミが落ちていたことに関係があるかもしれないので、継続して調査していきます。

○海に落ちているゴミのリサイクル方法

いわき市の海ではペットボトルのゴミが目立っていたので、ペットボトルの再利用方法について調べていたところ、次のようなことが分かりました。

ペットボトルに付く細菌について

口をつけることによってペットボトルに細菌が移る。福岡市保健環境研究所が行った実験では、麦茶のペットボトルに一度口をつけると、24時間後に細菌が100倍以上に増殖した。

このことから、海に落ちているペットボトルの再利用は難しいと考え、海に落ちているペットボトルは回収したあと再利用せずに捨てることにしました。しかし、ペットボトルがどれだけ落ちているのかを伝えるために、海に落ちていたペットボトルと同じ量の口をつけていないペットボトルを用意して再利用します

○いわき市がSDGsについてどのような取り組みをしているのか
●アクアマリンふくしま

2019年のキッズアート展は「プラうおコンテスト」。プラスチックで作品を作ることで、身の回りのプラスチック製品の多さに気づき、問題になっている海洋ゴミが魚に与える影響について関心を高めることを目的としている。また、アクアマリンふくしまの来館者にも海洋プラスチックごみについて考える機会を提供した。
(参考文献:アクアマリンふくしま公式ホームページ)

研究

○ペットボトルの再利用品の試作
●アクセサリー(ピアス)

ペットボトルを切る時は、横ではなく縦に切る方が無駄がなく切りやすい。オーブンレンジを使用して、予熱なしの170℃で3分熱すると綺麗に曲りながら縮む。加工前に穴開けパンチで穴を開けておき、マルカンを通してピアスパーツを取り付けて完成。

●じょうろ

ペットボトルに穴を開けて、切り口にビニールテープを巻く。ビニールテープと毛糸を使って荷物用持ち手を取り付ける。ペットボトルに取り付けられるじょうろの口を付けて完成。

●プランター

色々な形のプランターが作れるが、今回は水やり不要のプランターを作る。ペットボトルを半分に切り、切り口にビニールテープを巻く。キャップに穴を開けて、糸を通す。キャップをはめて、切ったペットボトルの上半分を逆さまにして下半分にはめる。下半分には水、上半分には土を入れたら完成。

5.今後の調査/研究課題

いわき市のどの海にゴミが落ちているのかの調査がまだまだ足りていないと感じたので、継続して調査していきます。また、いわき市でSDGsについて取り組んでいる企業に見学に行きたいと考えています。

ペットボトルの再利用品について発信するために、何かイベントを開催し、その再利用品を無料配布したいと考えています。また、同時に海の豊かさを守ることを呼びかける募金活動を行い、集まった募金は世界の美しい自然を守るために活動している「国際環境NGOグリーンピース・ジャパン」に寄付したいと考えています。しかし、今はコロナウイルスの影響でイベントを開催することが難しいので、コロナウイルスが落ち着くまでは作ったペットボトルの再利用品をSNSにアップして多くの人に発信していきたいと思います。

門馬 風歌

プロフィール

いわき総合高校に通う高校3年生です。学校の課題研究で「SDGs達成に向けて、高校生ができることとは」というテーマの調査/研究を行っています。この研究の目的の一つが「私達高校生にもできることがあるということに気づいてもらい、そのことを発信することで世界中の若者にSDGsに関心をもってもらうこと」なので、このSDGs-Webマルシェで私の研究をたくさんの人に見てもらいたいと思い、出典させていただきました。